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「No Rating(ノーレイティング)」の3つの特徴

  • カテゴリ:ノーレイティング(No Rating)

今回から数回にわたって、アメリカ企業において導入が広がっていることで話題になっている

 

No Rating(ノーレイティング)

 

について、情報提供と私の意見を発信していきたいと思います。

 

 

■急速に広がる「No Rating(ノーレイティング)」

 

組織の生産性を高めるパフォーマンス・マネジメントの取り組みとして

注目されるようになってきた「No Rating(ノーレイティング)」ですが、

 

2016年の段階でフォーチュン500の約20%にあたる企業において、

「No Rating(ノーレイティング)」の考えによる人事制度が導入されています。

 

2017年では導入企業が50%になるという予測もあり、急速に広がっています。

 

聞き覚えのある企業では、

GEやGAP、マイクロソフト、アクセンチュアなどの企業が

「No Rating(ノーレイティング)」を採用しています。

 

No Rating(ノーレイティング)と言っても、各企業によって様々な取り組みがあるので、

「No Rating(ノーレイティング)とはこれだ!」と簡単には言えない部分もあるのですが、

今回は「No Rating(ノーレイティング)」の概要について説明していきたいと思います。

 

■No Rating(ノーレイティング)と従来型人事制度の違い

 

まず前提となる知識として、人事制度の基本構造は、

 

1.等級制度で、社員さんを格づけする

2.評価制度で、社員さんに点数をつける

3.給与制度で、点数に応じた給与額を決める

 

という3つの制度の連動によって成り立っています。

 

何で給与額を決めるか(=何で評価するか)によって、

 

□ 属人給 :年齢や家族構成などによって給与を決める

職能給 :職務遂行能力によって給与を決める

□ 職務給 :担当する職務によって給与を決める

□ 役割給 :担当する役割によって給与を決める

□ 責任給 :担当する責任によって給与を決める

□ 成果給 :つくった成果によって給与を決める

 

などの呼び名が変わりますが、基本構造はすべて同じです。

 

従来型の人事制度と「No Rating」の違いは何かというと、

企業によって違いが色々とありますが一般的な特徴としては、

 

評価制度でつけた点数によって給与額を決めない

 

ということが挙げられます。

 

従来型の人事制度では、

期末に上司が部下一人ひとりを評価して、S~Dの5段階にランクづけを行い、

そのランクに応じて、賞与額や昇給額(減給額)を決定します。

 

No Rating(ノーレイティング)とは、このランクを給与決定に使わないということです。

 

米国企業で起こっている取り組みとして、「No Rating(ノーレイティング)」の他には、

 

□ No Curve :評価結果が正規分布になるように調整しない

      (=S評価は全体の何%、というような調整をしない)

□ No Calibration :評価結果の部門間での相対的な調整をしない

 

というものもありますが、一般的に「No Rating(ノーレイティング)」という表現のなかには、

「No Curve」や「No Calibration」も含まれて使われています。

 

さて、「No Rating(ノーレイティング)」では、

給与決定に評価結果を使わないのですが、そうすると疑問になるのは、

 

どうやって給与額を決めるのか?

 

ということだと思います。

 

■No Rating(ノーレイティング)の特徴

 

これも各企業によっていろいろなやり方があるようですが、

多いケースは、人件費予算を部門ごとに割り振り、

予算額内でマネジャーの裁量によって部下の給与額を決定するというやり方です。

 

評価結果を給与決定に使わず、マネジャーの裁量で給与を決定するので、

次のことが不要になります。

 

□ 人事評価で、社員さんに点数をつける必要がなくなる

□ 期末評価も必要なくなり、目標も年次で設定する必要もなくなる

 

しかし逆に、次のような必要性が生じます。

 

□ マネジャーが、部下の仕事を今まで以上に理解する必要が生じる

□ マネジャーに、部下の給与決定を行うというプレッシャーがかかる

 

ですので、「タッチポイント」や「タッチベース」など企業によって呼び名は違いますが、

マネジャーと部下が今まで以上にコミュニケーションをとるような仕組みを導入して、

目標設定や目標修正、結果へのフィードバックをリアルタイムで行うようにしています。

 

そのことによって、マネジャーが部下の成長を密接にサポートし、

心理的に安心して仕事ができる環境を整えようということです。

 

加えて、給与額への納得性を高めようというねらいもあります。

 

つまり、半年(あるいは1年)に一度の評価フィードバックを受けるより、

リアルタイムでフィードバックを受けることで、

部下が給与額を見たときに驚くようなことをなくし、

「なるほど」「予想した通り」という納得性を高めようということです。

 

ここまでが「No Rating(ノーレイティング)」の概要です。

主な特徴をまとめると、

 

□ 年次評価において、点数づけ・ランクづけを行わない

□ マネジャーと部下がリアルタイムでコミュニケーションを行う

□ マネジャーの裁量で給与額を決定する

 

ということになります。

 

次回は、「No Rating(ノーレイティング)」がアメリカ企業で広まってきた

背景について説明していきたいと思います。

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