社員さんの幸福度を高める！ウェルビーイング経営と人事制度のあり方

カテゴリ：人事関連情報

近年注目されている「ウェルビーイング経営」は、社員さんの幸福度を高めることで、企業の成長につなげようという取り組みです。仕事とプライベートを両立できる環境をつくるなど、社員さんの心身の状態を良好に保つことで、モチベーション向上、離職率抑制、生産性向上など様々な効果が生まれることを期待しています。

本記事では、まずはウェルビーイング経営に関する一般的な情報を提供し、その後で生きがいラボ独自の考え方を詳しく解説していきます。

社員さんの幸福度を高めるウェルビーイング経営とは？

現代社会において、企業を取り巻く環境はますます複雑化し、変化の速度も加速しています。経営環境が激変する中で、企業が生き残っていくためには、社員さんが能力を最大限に発揮できる環境をつくりことが、持続的な成長の実現には不可欠です。そのために、従来の成果や効率性だけに焦点を当てるのではなく、一人ひとりの心身の健康や幸福度を重視した「ウェルビーイング経営」が注目されています。

ウェルビーイング経営とは、社員さんの幸福度を高めることで、企業の成長につなげる取り組みです。社員さんの心身の状態を良好に保つことで、モチベーション向上、離職率抑制、生産性向上など様々な効果を期待しています。

ウェルビーイング経営では、単に社員さんの福利厚生を充実させるだけでなく、企業文化や働き方そのものを変革していく取り組みも進めることが重要です。エンゲージメントを高め、組織全体の活力と創造性を向上させることで、企業の競争力を強化し、持続的な成長を実現することを目指します。

ウェルビーイング経営のメリットについて解説

ウェルビーイング経営とは、社員さんの「幸福度」を高めることで、企業の成長につなげる取り組みです。「幸福度を高める」というと、福利厚生を充実させることだけをイメージする方もいるかもしれませんが、ウェルビーイング経営はそれだけではありません。

ウェルビーイング経営の目的は、社員さんが「心身ともに健康で、仕事にやりがいを感じ、自分らしく活躍できる」状態を実現することです。具体的には、社員さんが仕事とプライベートを両立できるように、柔軟な働き方ができる制度を導入したり、社員さんのスキルアップを支援したり、健康増進のためのプログラムを提供したりといった取り組みが挙げられます。

ウェルビーイング経営は、単に「社員に優しい」経営というだけでなく、企業にとっても大きなメリットをもたらします。社員さんの幸福度を高めることで、エンゲージメント、モチベーション、生産性向上、顧客満足度向上、離職率抑制など、様々なポジティブな効果が期待できます。

ウェルビーイングを高めるための具体的な取り組み方

ウェルビーイングを高めるためには、様々な取り組みが必要となります。ここでは、取り組み方についていくつか例を挙げながら解説していきます。

柔軟な働き方

社員さんが仕事とプライベートを両立し、ワークライフバランスを実現できるように、柔軟な働き方を導入することが重要です。例えば、リモートワークやフレックスタイム制などにより、自分のライフスタイルに合わせて働き方を調整できる環境を提供しましょう。また、ライフステージによっては、仕事よりもプライベートを重視したい時期もあります。そういうニーズに応えるために、育児や介護のために法定以上の休暇制度を用意したり、所定よりも短い時間で働ける制度を整えておくこともよいでしょう。

健康増進のためのプログラム

社員さんの健康を維持・増進するためのプログラムを提供することで、心身ともに健康な状態を保ち、仕事のパフォーマンス向上につなげることができます。具体的には、健康診断やストレスチェック、運動機会の提供、メンタルヘルスサポートなどがあります。

スキルアップ支援

社員さんが自分の能力を最大限に発揮できるよう、スキルアップのための研修や教育プログラムを提供することも有効です。社員さんの成長を支援することで、モチベーション向上やキャリアアップにつながり、定着率向上にも貢献します。

コミュニケーション促進

職場環境において、上司と部下、同僚同士のコミュニケーションを円滑にすることは、ウェルビーイングを高める上で非常に重要です。定期的な面談やチームビルディングイベントなどを開催することで、良好な人間関係を築き、働きやすい環境作りを目指しましょう。

休暇取得の推奨

社員さんが休暇を積極的に取得し、心身のリフレッシュをすることを推奨しましょう。十分な休息は、仕事の集中力や生産性を高め、健康状態の維持にも役立ちます。

これらの取り組みは、単に社員さんの満足度を高めるだけでなく、企業の競争力強化にもつながります。社員さんが心身ともに健康で、仕事にやりがいを感じ、自分らしく活躍できる環境作りは、企業の成長を促進する重要な要素と言えるでしょう。

ウェルビーイング経営を成功させるためのポイント

ウェルビーイング経営は、制度導入だけでは成功せず、多岐にわたる取り組みが必要です。自社にとって最適なウェルビーイング経営を構築していく必要があります。ここでは、ウェルビーイング経営を成功させるための重要なポイントを５つ紹介します。

1. 社員さんの理解

社員さんの理解は、ウェルビーイング経営成功の鍵となります。企業は、社員さんに対して、ウェルビーイング経営の目的や意義を明確に伝え、理解を深める必要があります。具体的には、社員さん向けの研修やセミナーを実施し、ウェルビーイングに関する知識や情報を共有することが重要です。また、社員さんが自身の健康や幸福について積極的に考え、行動できるよう、サポート体制を整備することも重要です。例えば、カウンセリングサービスの提供や、健康診断の充実などが挙げられます。社員さん一人ひとりが、ウェルビーイングの重要性を認識し、積極的に取り組む姿勢を持つことが、成功への第一歩となります。

2. 社内体制の整備

ウェルビーイング経営を推進するためには、社内体制の整備が不可欠です。組織全体で、社員さんの健康や幸福を重視する文化を醸成し、柔軟な働き方を推進するための体制を構築する必要があります。例えば、上司は部下のメンタルヘルスに配慮し、適切なサポートを提供するよう意識する必要があります。また、ワークライフバランスを推進するための制度を導入し、社員さんが柔軟に働き方を選択できる環境を整えることも重要です。社内全体で、社員さんのウェルビーイングを支援する体制を構築することで、組織全体の幸福度を高めることができます。

3. 適切なサポート体制の構築

社員さんが安心して仕事に取り組めるよう、適切なサポート体制の構築が重要です。メンタルヘルスのサポート体制としては、カウンセリングサービスの提供や、ストレスチェックの実施などが挙げられます。また、ワークライフバランスを支援するためには、育児休暇や介護休暇制度の充実などが重要です。さらに、一人ひとりが健康的な生活を送れるよう、健康増進プログラムや健康相談窓口の設置も有効です。社員さんが安心して相談できる環境を整え、必要なサポートを提供することで、モチベーション向上や離職率の抑制に繋がるでしょう。

4. 定期的な改善

ウェルビーイング経営は、一度導入すれば終わりではなく、定期的な改善が必要です。社員さんの満足度や健康状態、働き方に関するアンケート調査などを実施し、現状を把握することが重要です。また、社員さんの声を積極的に聞き取り、改善すべき点があれば、制度や取り組みを見直していく必要があります。目標達成状況や社員さんのフィードバックを定期的に確認し、改善を続けながら、より効果的なウェルビーイング経営を実現していくことが重要です。

5. コミュニケーションの促進

社員さん同士、上司と部下間のコミュニケーションを促進することは、ウェルビーイング経営成功の重要な要素です。社員同士の交流イベントやチームビルディング活動などを積極的に実施することで、良好な人間関係を築き、一体感を醸成することができます。また、上司は部下の意見や悩みを積極的に聞き取り、信頼関係を築く必要があります。コミュニケーションの活性化は、エンゲージメントを高め、組織全体の活性化に繋がるでしょう。

ここまでが、ウェルビーイング経営の一般的な情報提供になります。ここまでのウェルビーイング経営の情報を踏まえて、私の考え方もお伝えできればと思います。

ウェルビーイング経営の本質

ここまでお伝えしてきた内容をみていただくと分かる通り、ウェルビーイング経営は、最近になってポッと出てきた新しい概念ではなく、呼び名は時代によって変わるにせよ、昔から言われてきた社員さんを大切にする経営だということです。

ウェルビーイング経営の本質は、社員さんを「塊」としてみるのではなく、「個」として尊重することだと私は思っています。従来の人事施策は、社員さんを塊とみて画一的なルールに適応させようとしてきました。しかし、これからの企業経営は、社員さんが個別に持つ思いや事情を大切にすることが必要であり、そのことで社員さんも会社のことを大切に思えるようになり、仕事に真剣に向き合えたり、顧客や同僚に貢献しようという意欲が自然と湧いてきます。

これは、私が導入のお手伝いをしている「自己申告型給与制度」も同様で、社員さんにとって大切な「給与」を会社が一方的に決めるのではなく、社員さんと対話しながら決めていくことで、強制することなく自然と意欲が湧いてくるという取り組みです。

まとめ

社員さんの幸福度を高める「ウェルビーイング経営」は、これからの時代に必要な企業のあり方だと思います。柔軟な働き方や健康増進プログラムなど、社員さんの心身の状態を改善する取り組みを実践したり、自己申告型給与制度のような人事制度のあり方を見直すことも重要です。社員さんの「個」を尊重し、対話を通して自然と意欲が湧いてくる環境をつくることが、結果的には企業の持続的な成長へとつながると思います。