人事制度 導入までの流れ

人事制度導入までの構築プロセスこそ組織と個人がともに活きるポイントがあります。

人事制度 導入までの流れ

経営者さん・幹部さん・社員さんで
デザインチーム・プロジェクトチームを組み
意見を共有する対話を通して、約1年間かけて構築します。

  • 用語解説デザインチームとは?
    経営陣と上級幹部で結成されるチーム。
    トップマネジメントのチームワークを強化します。
  • 用語解説プロジェクトチームとは?
    管理職クラスの社員さんで結成されるチーム。
    制度の運用も行います。
  1. デザインチームそれぞれの価値観を共有
    デザインチームのメンバーそれぞれの価値観を共有し、
    自社のあるべき姿・ありたい姿を共有します。
  2. 人事制度の方向性を探求
    モチベーションの本質と、ノーレイティング型人事制度のコンセプトを理解し、
    これから構築する人事制度の方向性を探求します。
  3. 第1回 全社説明会
    全社員さんに対して、人事制度の構築、あるいは見直しをすることを説明します。
    第1回・全社説明会の目的は、
    ①変革に対するトップの本気を示すこと、
    ②新しい人事制度のコンセプトを示すこと、
    ③「給料が減らされる」などの誤解を払拭すること、の3つです。
  4. 社員さんへのヒアリング
    貴社の企業文化をより深く理解するため、社員さんが持っている問題意識や悩み、目標などをヒアリングさせていただきます。 人事制度が変わるということは、社員さんにとってはインパクトのある出来事です。給料が減ったり、過酷な労働環境になったりするという誤解も生まれる可能性もありますので、その誤解を解いていきます。
  5. プロジェクトチームを結成
    デザインチームに加えて、管理職クラスの社員さん入っていただき、
    人事制度構築プロジェクトチームを結成します。
  6. デザインチームとプロジェクトチームの
    価値観とビジョンを共有
    チームメンバーの相互理解を深め、トップマネジメント(経営陣)とミドルマネジメント(管理職)が価値観とビジョンを共有していきます。
    より広く多様なメンバーによって人事制度を構築することで、人事制度への当事者意識を醸成していきます。

    人事制度の構築は、経営理念・経営ビジョンの共有から始まります。人事制度とは、企業の目的を実現するためのサブシステムです。だから、人事制度をつくるまえに、企業の目的・存在意義を共有しなければなりません。

    [ 経 営 理 念 ] 企業が大切にしている価値観・哲学・信念
    [経営ビジョン] 企業が実現したい最高の状態・ありたい姿
  7. 自社ビジョンを探求し共有
    プロジェクトチームそれぞれが、「どんな会社にしたいのか」という自社のビジョンを探求し、それをメンバー全員で共有します。
  8. 人材ビジョンを探求し共有
    理念・ビジョンという会社の究極の目的が明確になり、その実現のための「経営戦略」を策定したら、次は「人材ビジョン」を探求します。

    [人材ビジョン] 企業が必要とする人材像

    理念・ビジョンの実現のために、どんな人材が必要なのかを明確にします。人事制度は、社員さんが人材ビジョンの方向に成長することを、「サポート」することが役割です。

    このとき、「強制」ではなく「サポート」することが大切です。社員さんは、自分の人生を豊かにするために生きています。けっして企業のために生きているわけではありません。自分の人生を豊かにするためには、自分が働く企業の成長・発展が不可欠なのですが、企業の成長・発展は手段であって人生の目的ではありません。

    企業が社員さんに何かを強制することは、社員さんと支配・従属関係を築くということです。それは、企業と社員のあるべき姿ではありません。社員さんと共創関係を築くためには、社員さんの人生ビジョンを心から尊重することが求められます。

    人材ビジョンを描くときには、事業特性によって大きく変化するスキルや知識という要素ではなく、「人間性」「人間力」に着目することになります。

    人間性・人間力とは、
    • [規律性] 決められたルールを守る思考・行動特性
    • [責任性] 自分の責任・役割を100%達成しようとする思考・行動特性
    • [積極性] 高いレベルのことや新しいことにチャレンジする思考・行動特性
    • [協調性] 人と協力したり、人を助けたりする思考・行動特性
    • [自律性] 自分で考えて意思決定する思考・行動特性
    などのような、考え方や行動特性のことです。

    「規律性」「責任性」「積極性」「協調性」は情意評価の四要素と呼ばれ、人事評価のなかでも考え方や価値観の部分を扱う「情意評価」の基本的な構成要素です。私は、これからの社会は、この4つに「自律性」「創造性」を加える必要があると考えています。
  9. 第2回 全社説明会
    プロジェクトチームで共有した経営ビジョンと人材ビジョンを発表し、
    自社の方向性を示します。
    社員さん一人ひとりの主体性が発揮されるように、
    ①経営ビジョン実現のために自分に何ができるのか、
    ②人材ビジョンのような人材に成長するために自分に何が必要なのか、

    を社員さん一人ひとりに探求していただきます。
  10. 人事諸制度の構築
    プロジェクトチームによって、①キャリア開発制度、②360度フィードバック制度、③1on1制度、④自己申告型給与制度、の主に4つの制度を構築(見直し)していきます。
    ミドルマネジメント(管理職)が制度構築から関わることで、制度への当事者意識が高まり、制度の運用がしっかりとできるようになります。
  11. 完成した制度の全社説明会
    完成した制度を発表し、全社員さんの理解を促進します。
    一方的に制度を説明するのではなく、社員さん一人ひとりに考えていただくセッションを設け、制度を肌で感じてもらえるようにします。
制度運用開始
生きがいラボの人事制度は、コンサルタントに頼らず
自分達で運営できることをポリシーに構築しております。
新制度導入サポートや就業規則の整備については別途ご相談ください。

人事制度 構築プロセス

経営戦略から自己申告型給与制度の方向に矢印が伸びています。そして矢印は、自己申告型給与制度からキャリアビジョンに、キャリアビジョンからキャリア開発制度の方向に続いています。これは、経営戦略の実現に必要なスキルに関しては、キャリア開発制度によって明確にしていくということを意味します。

次に、1on1制度から自己申告型給与制度に向かう矢印について説明します。社員さんは、自分で選択した貢献内容(責任)にもとづいて、未来にどんな貢献をするかを目標設定します。その目標について、企業と社員さんが対話を行い、投資額(給与額)を決めます。だから、この矢印は、目標の達成率で給与が決定するのではなく、未来に対する貢献によって投資額(給与額)が決定するという意味です。