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公平な人事評価というワナ

  • カテゴリ:ノーレイティング(No Rating)

人事制度は、そもそもの構造が、「アメとムチ」の力によって社員さんを動かそうとする仕組みです。

 

アメとムチの一番分かりやすいものが「給与」です。

 

人事評価による点数づけを通して、会社が評価できるような成果や行動には「昇給」というアメが与えられ、会社が評価できない成果や行動には「減給」というムチが用意されています。

 

給与、いわゆる金銭的報酬は、社員さんの感情に大きな影響を与えます。

 

多くの社員さんは、さまざまな理由で自分の給与に不満を持っていますが、人事制度の世界では、給与への不満は「人事評価への不満」だという通説があります。

 

たしかに、給与を決定しているのは「人事評価」ですので、「給与への不満は人事評価への不満」というロジックは説得力があります。

 

このロジックのもと、いかに人事評価の「公平性」「客観性」を高めるかという努力がされています。

 

しかし、人事評価の「公平性」「客観性」を高める努力をしても、問題は根本的に解決しないと私は考えています。

 

人事評価の公平性/客観性を高める取り組みとしては、下記が挙げられます。

 

1.人事評価項目の公平性/客観性を高める

2.評価者(管理職)の評価スキルを高める

 

まず、1番目の人事評価の項目の客観性ですが、これを高めようとすると、①評価項目の数が多くなる、②数値で評価できる項目が多くなる、という方向に流れます。

 

結果として、人事制度が複雑になります。

 

この複雑さが、次のような新たな社員さんの不満を生みます。

 

「何を優先したらいいのか分からない」

「やることが多すぎる」

「人事評価にかける時間が大きすぎる」

「数字に現れない仕事が評価されない」

 

問題を解決しようとする施策が、なぜ新たな問題を生み出すかというと、それが本質的な解決策ではないからです。

 

次回は、2番目の評価者の評価スキルを高める取り組みについて書きたいと思います。

 

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