生きがいラボの人事制度
「自己申告型給与制度」
一般的な
人事制度との違い
多くの企業で採用されている一般的な人事制度では、給与は上司や評価者が点数やランクをつけて決めるものとされています。そこでは、社員さん自身が「どれくらいの給与を希望するか」を伝える場面は、ほとんどありません。
一方、自己申告型給与制度では、社員さん自身が自分の給与を「自己申告」します。もちろん、申告がそのまま通るわけではなく、対話や総合的な判断を通じて最終決定に至りますが、「自分の意見を言えること」が制度の大前提になっています。
また、一般的な制度が「過去の実績評価」に重きを置いているのに対して、自己申告型は「未来にどう貢献したいか」という未来志向の対話が中心です。
つまり、過去の点数でランクづけされる仕組みから、未来を語り合い、お互いをパートナーとして尊重する仕組みへ進化することになります。
このように、一般的な人事制度と自己申告型給与制度では、制度の根本にある「人間観」と「組織観」が、大きく異なります。
一般的な
人事制度
等級制度
等級制度で格付け
役割の固定化になる
評価制度
人事評価制度で点数づけ
受け身の姿勢を助長する
給与制度
人事評価で給与決定
本人が意見を言えない
自己申告型
給与制度
等級制度
等級制度は不要
役割が柔軟に変化する
評価制度
人事評価制度も不要
主体性が発揮される
給与制度
対話で給与決定
納得度が高まる
生きがいラボの
人事制度の特徴

01 社員さんが自分の給与を「自己申告」
給与の自己申告が会社と社員さんの関係性を変える
自己申告型給与制度の最大の特徴は、社員さんが「自分はいくらの給与を希望するか」を自ら申告するという点です。これまでの人事制度では、給与は会社が一方的に決めるもので、社員さんが給与についての意見を言う場はありませんでした。私たちは「給与の決め方」を変えることで、会社と社員さんの関係性そのものを再構築したいと考えています。
給与に向き合うことで人生に向き合うことになる
自己申告とは、自分の仕事や貢献に対する評価を他者に委ねるのではなく、自分自身で向き合うという行為です。そして、それは単なる「自己評価」ではなく、「自分の人生を自分で選ぶ」という“自己決定”のあり方に近いものです。社員さんが「自分はどうありたいのか」「どんな人生を送りたいのか」に目を向け、主体的にお金との関係を捉え直すきっかけとして、自己申告は大きな意味を持ちます。
社員さんの意志に耳を傾ける
ご導入いただいたお客さまの会社で、社員さんから「今年はこういう挑戦をしたいので、これだけの給与を希望します」という申告をたくさん聞かせていただきます。私たちの制度では、社員さんが自らの人生と向き合い、自分の給与を自分で申告することから始まります。
それは「評価される立場」から「自己決定する主体」への転換。金額の妥当性も大切ですが、社員さんがどんな意志を持ってその金額を選んだのかに耳を傾けることがもっと大切です。給与を申告するという行為は、実は「お金の話」以上に「人生の話」。自分をどう大切にするか、その問い直しでもあるのです。

02 「未来志向」の対話を重視
過去の実績よりも未来を語り合う
自己申告された金額は、単に金額の話だけではなく、「その金額にどんな意味を込めたのか」「これからどんな働き方をしたいのか」といった未来志向の対話へとつながっていきます。過去の実績や行動の棚卸しも大切ですが、評価中心の会話になると、どうしても「査定される場」という印象になりやすく、社員さんの本音や未来の展望が出てこなくなることがあります。
評価面談ではない想いを共有する対話が信頼をつくる
私たちが大切にしているのは、評価のための対話ではなく、“これからを語るための対話”です。たとえば、「自分はもっと○○に挑戦してみたい」「今はこういう事情があってこの金額を希望する」といった、社員さん自身の未来への想いが共有される場となります。給与を通じて、「どう生きたいか」「何にエネルギーを注ぎたいか」を共有できる関係性こそ、信頼の土台だと考えています。
社員さんと経営者さんの双方の未来が広がる
この制度では、評価面談のように「過去」を振り返るよりも、「これから」を一緒に描く対話が中心になります。たとえば、「3年後にこんな役割を担えるようになりたい」「今の生活環境では、まず安定を優先したい」といった未来の希望や現在の背景を、ありのままに語り合える場。それは査定のためのヒアリングではなく、共に人生の地図を広げるような時間です。
対話を通して、社員さん自身も自分の可能性に気づき、経営者さんも新たな視点を得る。そんな双方向の“再発見”が起きるのが、未来志向の制度です。

03 「総合判断」で給与を決定
給与に正解はない
制度上、社員さんが申告した金額がそのまま通るとは限りません。自己申告はあくまでスタート地点であり、そこから経営者さんとの対話を通じて、最終的には「総合判断」で給与が決まります。判断の基準には、会社の財務状況や、他の社員さんとのバランス、社会的な水準など、多様な視点があります。給与には、絶対的な正解などないのです。
対話はお互いの納得を高めていくプロセスとなる
ただし、上記のことは「経営者が最終的に上から決める」という意味ではありません。あくまで、社員さんとの対話を重ね、相互理解の上で「今回はこうしよう」という合意を見出していくプロセスです。時には「今回の希望金額は実現が難しい」ということもありますが、そうした時も、ただ「ダメ」と伝えるのではなく、「なぜそう考えるのか」を丁寧に伝え、お互いに納得感を持ってもらえることを大切にしています。
人として本音で向き合う
自己申告された金額は、そのまま決定になるとは限りません。とはいえ、単純に会社がジャッジするということでもありません。「経営の視点から見るとこの金額は難しいけれど、あなたの想いはよく伝わった。だったらこういう形ではどうだろう?」といったように、対話の中でお互いの立場や背景をすり合わせながら、一緒に“折り合い”を探していきます。合理性や公平性に偏らず、「人としてどう向き合うか」に重きを置いたプロセス。それは、給与決定という名の“共同作業”とも言えるかもしれません。

04 点数評価・ランクづけは行わない
点数づけによって零れ落ちるものがある
私たちの制度では、社員さんを点数で評価したり、ランクに分けたりすることはありません。なぜなら、点数評価やランクづけは、たとえ「公平」を目指して設計しても、どこかで機械的になり、人の気持ちや状況の変化、関係性のニュアンスを切り捨ててしまうことがあるからです。
点数づけやランクづけは内発的動機に悪影響を与えやすい
また、数字やランクで格づけされることが、社員さんの自尊心や自己肯定感に影響を与えることもあります。特に、ティール組織や自律分散型の働き方を志向する場では、個人の内発的動機や信頼関係が何よりも重要です。その前提に立つと、「何点だったか」「どのランクか」といった外からの評価ではなく、「自分はどうありたいか」「自分の成長をどう捉えるか」といった内面からの気づきを大事にしたいと考えています。
点数づけ・ランクづけを廃止した思い
「私って何点なんだろう…」そんな不安やプレッシャーの中では、人は自分の可能性を自由に発揮できません。だからこそ、私たちは点数評価やランクづけといった、外側からの格づけは行いません。代わりに重視するのは、社員さん自身が「自分はどうありたいか」「この1年でどんなふうに変化したか」と自分自身の言葉で語れる場をつくること。制度が人を“測る”のではなく、人が制度を“使って”自分らしく働けるようにする。それが、私たちの願いです。

05 納得と信頼をベースにした制度
関係の質が制度の根幹となる
自己申告型給与制度の根っこにあるのは、「正しさ」ではなく「納得」と「信頼」です。制度を構成するすべての要素――自己申告、対話、総合判断――は、社員さんと経営者さんが“パートナーとして向き合う”関係性を育みます。ルールの厳格さや数字の正確さで整えるのではなく、関係性の質で制度を支えるという発想です。
給与決定の対話を通して信頼を育む
そのため、制度の運用はマニュアル通りにはいきませんし、正解もひとつではありません。一人ひとりの背景や価値観に寄り添いながら、毎年、少しずつ制度もアップデートされていくような“共創型の仕組み”であることが特徴です。「給与の仕組みは人と人の関係性を映し出す鏡である」と考える私たちは、この制度を通じて、会社という場により深い信頼と対話が育まれていくことを願っています。
お金を超えた文化をつくる取り組み
この制度の本質は、「制度の正しさ」ではなく「関係性のあたたかさ」にあります。数字やルールで縛るのではなく、納得と信頼を土台に、お互いの気持ちと状況をすり合わせながら、制度そのものを一緒に育てていく。ときには話し合いに時間がかかることもあります。でも、だからこそ制度が「仕組み」ではなく「文化」になっていく。給与制度が単なるお金の仕組みを超えて、組織の信頼や対話の土壌を育む──それが、私たちが自己申告型給与制度に取り組む理由です。
給与を通じて「人」と「組織」の関係性を進化させていく、新しい時代の制度です。
制度導入が向いている
企業様

01 自律分散型・ティール型の組織運営をしていきたい
トップダウンではなく、現場の判断を信じる文化を持っている、あるいはそのような組織文化に移行したいと考えている企業です。社員さんが主体的に動き、相互に信頼している組織では、自己申告型給与制度の仕組みがフィットしやすいです。

02 社員さんをパートナーとして尊重している
「社員さんを管理する対象ではなく一緒に未来をつくる仲間だ」と捉えている企業。給与というテーマにおいても、社員さんに対して情報を透明にし、一緒にありたい姿を探求していこうという姿勢があることが重要です。

03 対話を大切にしている
この制度は「対話」が肝です。一人ひとりが納得できる形での意思決定を目指すためには、日頃からフィードバックや意見交換がとても大切になります。

04 評価や報酬に対して“絶対的な正解”を求めていない
点数づけやランクづけに限界を感じていたり、より納得感や対話重視の報酬設計を模索している企業です。評価の“正しさ”よりも、“納得感”や“関係性”が大切になります。

05 理念やビジョンに共感する仲間と共に経営していきたい
制度が自己申告だからといって、誰もが自由気ままに申告できるわけではありません。理念やビジョンに共感し、「組織の未来のために」という観点で責任ある申告を応援する文化が大切です。