給与制度の仕組み
- カテゴリ:ノーレイティング(No Rating)
従来型人事制度を形成する主な制度
従来型人事制度は、3つの制度からできています。
1. 等級制度 :社員さんを格づけする仕組み
2. 評価制度 :社員さんを点数づけする仕組み
3. 給与制度 :社員さんの給与を決める仕組み
前回は、評価制度について解説しましたので、
今回は「給与制度」について解説したいと思います。
ただ、給与制度はけっこうややこしい仕組みなので、
細かいところは抜きにして、ざっくりと説明します。
※前回のブログ「人事評価制度の仕組み」
基本給の仕組み
給与制度は、文字通り「給与を決める仕組み」ですが、
給与といってもいくつかの種類があります。
◆基本給:給与の基本部分で、主に等級に応じて支払われる
◆手当 :給与の付加的部分で、条件に合った場合に支払われる
◆賞与 :臨時的給与で、年に2~3回支払われる
◆退職金:主に慰労の目的で、退職時に支払われる
今回は、基本給と手当を中心に説明したいと思います。
まず、基本給です。
基本給は、主に等級に応じて決定されます。たとえば、
1等級は「140,000円~170,000円」
2等級は「170,000円~200,000円」
というように、等級ごとに金額の範囲が決められています。
その等級ごとの金額の範囲を、
ある一定の金額(500円とか)で段階分け(=号俸)して、
人事評価の結果によって進める号俸が変わることで
一人ひとりの基本給が決定されます。
例えば、
B評価だったら号俸を5つ進めるとか、
A評価だったら号俸を6つ進める、などのように。
各等級の号俸を一覧にした表を「給与テーブル」と呼びます。
(賃金テーブルとも呼びます)
給与テーブルの号俸が変わることによって
給与が増えることを「昇給」、
給与テーブルそのものが変わることによって
給与が増えることを「ベースアップ」と呼びます。
従来型人事制度では、人事評価と給与が連動していて、
よい評価になるほど、高い昇給額になるという仕組みになります。
手当の仕組み
次に、手当について触れたいと思いますが、
手当は付加的な給与なので、本当に各社各様です。
一般的には、手当もいくつかの種類に分かれていて、
◆年齢や勤続年数などの属人的な要素によって支払われる手当
◆能力や職位(役職)、職種などの仕事内容に応じて支払われる手当
◆配偶者の有無や子どもの人数、住む場所などに応じて支払われる
生活扶助的な手当
◆時間外や休日、深夜労働などに支払われる法律で定められた手当
などがあります。
2番目の仕事内容に応じて支払われる職務手当、役職手当などは、
人事評価の結果によって額が変わる仕組みにする場合もあります。
3番目の生活扶助的な手当は、
一昔前の成果主義全盛期に廃止する企業がたくさんありましたが、
最近は少し見直されてきました。
当社のノーレイティング型人事制度でも、
配偶者の有無に対する手当を新設することはありませんが、
子育てをサポートするための手当や、
ご家族に障がい者がいらっしゃる方をサポートする手当など、
をお勧めしています。
従来型人事制度の仕組みを説明してきましたので、
次回からは、ノーレイティングの仕組みについて
従来型人事制度と比較しながら説明したいと思います。