すべては自分が選択している
- カテゴリ:ノーレイティング(No Rating)
ノーレイティング型人事制度の根本には、
「人は自分で決めたいし、自分で決めたことは責任をもってやり遂げようとする」
という価値観があります。
この価値観をもとに組織を運営すると、「ティール」や「ホラクラシー」になるでしょうし、人事制度に当てはめると「ノーレイティング」になります。
今回も「自分で決める」、つまり「自律」ということについて考えたいと思います。
人生の原則は自己責任
当たり前のことなのですが、自分の人生における出来事のほとんどは、自分の意思決定が原因となっています。
* 自分が現在の会社を選んでいること
* 自分が現在の仕事を選んだこと
* 自分が現在の友人・知人と交友関係を持っていること
* 自分の現在の役職に就いていること
* 自分が現在受けている周りからの評価
* 自分の現在の給料
これらはすべて、自分の意思決定の結果です。
少なくとも日本においては、ほとんどの事柄に対して、選択肢が複数存在していて、どの選択肢を選ぶかの自由があります。
「どの会社を選ぶのか」「どんな職業に就くのか」「誰と交友関係を持つのか」については、自分で意思決定できることです。
もし、自分には選択肢がないと感じているならば、選択肢の存在に気がついていないだけなのかもしれません。
人間は往々にして、自分の思い通りにいかない状況に置かれると、視野が狭くなり、無限に存在する選択肢に目を向けられなくなったりするものです。
あるいは、ある選択肢を選んだときに生じるリスクから無意識に避け、選択肢がないと思い込んでいるということもあるでしょう。
会社への不満も自分の選択の結果
現在の日本社会では、会社に不満がある人はたくさんいらっしゃると思います。
根本的なことを言うと、不満があれば辞めればよいだけの話です。
不満があるが会社にいるということは、さまざまな理由で「辞めない」という意思決定をしているということです。
辞めたときの「就職先が見つからない」「所得が減る」などのリスクを心配しているからかもしれません。
あるいは、「多少不満はあるけどこの会社が好きだ」ということかもしれません。
いずれにしても、現在の会社を選んでいるのは、自分の意思決定です。
また、役職や評価、給料については、自分では直接的には決めることができないかもしれません。
しかし、これらは毎日の意思決定の積み重ねによって生まれています。
「どんな行動をとるのか」
「どんな言葉を発するのか」
「どんな表情や態度でいるのか」
「何にどれだけ時間を使うのか」
「自分をどのように成長させるのか」
などの一瞬一瞬の意思決定が積み重なり、現在のすべての状況を形成しています。
このように考えると、自分を取り巻く環境のほとんどが、自己責任で生じています。
実際には、自分の力ではどうすることもできないこともありますが、それでも「自分が選んでいる」と考えることが「自律」です。
そして、お互いに自律しているということが、共創関係を築くうえでは大切な要素になると思います。
ここまで話を進めてくると、「自律していない人が会社にいる場合はどうするのか?」というご質問をいただくので、この点については次回に考えたいと思います。