ノーレイティングにおける1on1のメリットを解説します
- カテゴリ:ノーレイティング(No Rating)
いつもありがとうございます。生きがいラボの福留です。
前回は、ノーレイティングでは給与制度がどう変わるのかを解説しました。
従来型の人事制度では、人事評価によって点数づけやランクづけをすることになりますが、これは人事評価を受ける社員さんだけではなく、人事評価を行う管理職さんにも相当な負担がかかります。
ノーレイティングという新しい人事制度では、人事評価における点数づけやランクづけがありませんので、これにかかる時間と労力を別のより建設的なことに使えるようになります。
今回はその「より建設的なこと」である「1on1」について解説したいと思います。
※前回の記事「ノーレイティングでの給与制度を分かりやすく解説します」
1on1と人事評価面談の違い
1on1とは、何らかの目的のために行う1対1のコミュニケーションのことです。
そういう意味では、人事評価面談も1on1と言えるのですが、ノーレイティングを運用する場面での「1on1」は、一般的な「人事評価面談」とはかなり異なる取り組みです。
一般的な人事評価面談は、極端な表現をすると「部下に理解させる」ためのコミュニケーションです。
人事評価面談の主な目的は、上司が行った人事評価の結果を部下に理解させることです。
ただこのことは、面談をする管理職の問題というよりは、一般的な人事制度の構造上の問題です。
管理職が部下に点数をつけるという構造では、「理解させなければならない」という意識でのコミュニケーションが多くなっても仕方がありません。
その一方で、人事評価で点数をつけないノーレイティングという人事制度では、「理解させなければならない」というプレッシャーがあまりありません。
ですので1on1の場面でも、「理解させる」ことが目的ではなく、「お互いを理解する」ことを目的にできます。
ここが人事評価面談との大きな違いです。
1on1を実施するメリット
どんな施策もメリットがあればデメリットがあるものですが、管理職と部下が行う定期的なコミュニケーションを、従来の人事評価面談から1on1に変えることは、メリットの方が大きいと感じています。
人事評価面談は、従来の人事制度の構造をうけて、管理職からの一方的な情報提供になりがちです。
しかし1on1では、お互いを理解することが目的になりますので、仕事の進捗や抱えている課題などを部下が話をすることが多くなります。
そして現状の情報共有から展開して、管理職と部下がお互いの価値観を理解するためのコミュニケーションに発展しやすくなります。
その結果として、
・上司と部下の信頼関係が高まる
・部下のモチベーションが高まる
・部下の成長スピードが上がる
というさまざまなメリットが出てきます。
さまざまメリットのなかでも、私が考えるもっとも大きなメリットは、「心理的安全性が高まる」ことです。
心理的安全性については、Googleの調査が有名ですのでご存じの方が多いと思いますが、1on1は心理的安全性を高めるためにはとてもパワフルな取り組みだと感じています。
1on1は、とてもメリットの大きい取り組みだと思いますが、実施に際して課題を抱えている会社さんも多くいらっしゃいます。
次回は、1on1がうまくいくポイントについて書きたいと思います。
※この記事のつづき「1on1が成功するポイントを解説します」
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