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真のエンゲージメントを高めるために

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いつもありがとうございます。生きがいラボの福留です。

次の9つの経営環境の変化が、人事制度の未来像にどのような影響を与えるのかを解説しています。

① 金銭的報酬によるインセンティブが困難になる
② 職業人生が長期化する
③ 不安を抱える若年層が増える
④ 仕事とプライベートの境界がなくなる
⑤ 企業の内部と外部の境界がなくなる
⑥ 高度な専門技能と、専門分野以外での人的ネットワークが必要となる
⑦ 権力によるリーダーシップが成果を生まなくなる
⑧ 多様性を積極的に受容する必要性が高まる
⑨ 短期的な利益よりも社会貢献や持続可能性を重視する傾向が強まる

今回は、社員さんの自律を開放する組織運営に対する不安について扱いたいと思います。

※前回の記事「社員さんの管理を強化するデメリット

 

社員さんの自律を開放することへの不安

 

自律を開放するとは、一人ひとりが自分で意思決定できる範囲を拡げていくということです。

自己申告型給与制度という、社員さんに給与額を申告してもらう取り組みは、社員さんの自律を開放する試みです。

自己申告型給与制度についてお話すると、

「そんなことをしたら社員がワガママばかり言って会社が崩壊しませんか?」

というご質問をいただくことが多いです。

こういう不安を抱くのはある意味では当然で、その可能性はゼロではないとも思います。

事実として、私のお客さまでも、どの会社でも2~3名の社員さんからはビックリするような申告、たとえば、業務は今まで通りで給与額は2倍にしてほしいというような申告もあります。

しかし逆にいうと、そのようなビックリする申告をする社員さんはごくごく少数で、ほとんどの社員さんはしっかりと考えて申告をしてくださいます。

私の経験では、社員さんを一人の個人として尊重する会社の取り組みに対しては、社員さんも誠実に応えてくれるものです。

もし、会社が崩壊するような申告が連発するのであれば、それは今までの会社と社員さんの関係が崩壊していたということです。

 

言動の奥にある感情を理解することが大切

 

社員さんの自律を開放する取り組みに対して、「寝た子を起こすようなことはしたくない」とおっしゃる方もおられますが、「寝た子」に積極的な行動や成果、愛社精神やエンゲージメントなどを求めても、それは無理というものです。

「寝た子」という表現に象徴されるように、社員さんを「子ども」のように扱う意識とそれに伴う比喩は、これからの時代ではなくしていきたいと思っています。

社員さんを「子ども」だと思っていると、会社(上司)の共通認識と違う発言や行動があると「ワガママ」と解釈してしまいます。

さきほど紹介したようなビックリするような申告も、その人のワガママと映り、「あの人は問題だ」ということで片付けられてしまいます。

しかし、そういう申告をした背景にある社員さんの感情...評価されてこなかった悲しさや怒り、不安を理解すると、同じ申告でもまったく違う印象になります。

そういう本音を理解し合った先に、本当に尊重し信頼し合える関係があるのだと思います。

そういう関係になれば、いろいろな仕掛けをしなくてもエンゲージメントなどは自然と高まっていくはずです。

※この記事のつづき「社員さんを囲い込もうとする制度は逆効果になる

 

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