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社員さんを囲い込もうとする制度は逆効果になる

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いつもありがとうございます。生きがいラボの福留です。

次の9つの経営環境の変化が、人事制度の未来像にどのような影響を与えるのかを解説しています。

① 金銭的報酬によるインセンティブが困難になる
② 職業人生が長期化する
③ 不安を抱える若年層が増える
④ 仕事とプライベートの境界がなくなる
⑤ 企業の内部と外部の境界がなくなる
⑥ 高度な専門技能と、専門分野以外での人的ネットワークが必要となる
⑦ 権力によるリーダーシップが成果を生まなくなる
⑧ 多様性を積極的に受容する必要性が高まる
⑨ 短期的な利益よりも社会貢献や持続可能性を重視する傾向が強まる

今回は、5番目の企業の中と外の境界がなくなることで、人事制度がどうなっていくかを考えたいと思います。

 

社員さんを囲い込むための施策が無意味になる

 

従来型の人事制度の根本には、「社員さんが辞めるのを防ぐ」という意図がありました。

分かりやすいのは退職金制度です。

ほとんどの退職金制度は、その会社での勤続年数が長くなればなるほど、退職金が増えるようになっています。

また多くの会社では、勤続10年や20年を超えると急に退職金が増額されるという退職金制度になっています。

この意図は、辞めないことでメリットがある制度によって退職を防ぐということです。

また、そもそも年功的な人事処遇そのものも、長期間にわたって勤務することが前提になっています。

これらの社員さんを囲い込むための施策は、企業の内と外の境界線があいまいになってくると、効果が半減していきます。

効果が半減どころか、若年層にとっては、若手社員がガマンを強いられる魅力のない企業だと映ってしまいます。

 

退職金制度を根本から見直す

 

人事関連での社員さんの声でよくあるのは、「この会社であと2年ガマンしたら退職金が上がるから2年はガマンしよう」というような声です。

これは一見すると、退職金制度の目的が達成されているようにも見えますが、実はそうではないと思っています。

退職金の額が上がる年数までガマンして勤めている期間は、おそらくその社員さんも毎日が楽しくないでしょうし、会社にもよい影響を与えないでしょう。

社員さんご本人と会社の双方にとって、それは不幸なことです。

もし辞めたいという感情が生まれているのであれば、そのことについて本音で対話し、

その原因が何かの取り組みで解決することであれば双方の努力で解決した方がいいと思いますし、解決できないことであれば早めに関係を解消した方がお互いのためだと思います。

私の考えでは、いびつな関係をつくってしまう一般的な退職金制度そのものを不要と考えていて、再就職のための活動をする保障として月給1か月分を支給した方がいいと考えています。

退職時に月給1か月分を支給すれば、退職月の給与と合わせると2か月は収入が保障されますから、その間に次の職を探すことができます。

それと同時に、長期勤続によってメリットが生じる人事処遇、具体的には在留期間がある等級制度とそれに連動する給与テーブルを廃止し、

意欲と実力に応じて勤続年数に関係なく処遇される制度にすべきです。

つまり、これらの取り組みによって会社を出入りしやすくするということです。

社員さんが会社を離れたいという感情を持つということは、そこには何かしらの理由があるはずです。

そして、いったん会社を離れてみると、それが勘違いだったと気づいたり、本当は元の会社の仕事が好きだったということを再認識したりすることがあるのですが、

それはいったん会社を離れてみたからこそ気づけることです。

そのような気づきがあると、会社と社員さんの関係は以前よりもより強くなります。

金銭的なメリットで会社に囲い込むような施策によって、そのチャンスを逃しているのです。

また他のケースとして、会社を離れてみて、より自分らしい人生になったのであれば、社員さんを独立した個人として尊重するならば、それは祝福すべきことです。

そういう価値観で人事制度を眺めたときに、どのような人事制度があるべき姿なのかについては、次回に書きたいと思います。

 

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