情報共有が共感を生む
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一人ひとりの自律を尊重する組織運営においては、組織のリーダーが示すビジョンも、そのリーダーの個人的なビジョンという位置づけとなり、そのビジョンに協力するかどうかはメンバー一人ひとりの判断になります。
そして、みんなが共に目指していけるビジョンは、メンバーそれぞれのビジョンの違いを尊重した対話を通して湧き上がってくることになります。
ここまでは前回にお伝えした通りですが、今回は、メンバーが共に目指していけるビジョンを探求するときに、非常に重要となる要素についてお伝えしたいと思います。
※前回のブログ「一人ひとりのビジョンの違いを尊重する」
情報がなければ共感は生まれない
結論から言いますと、共に目指していけるビジョンが湧き上がってくるためには、「情報共有」がとても大切です。
「そんなことは当然だ」という感想をお持ちになった方が多いと思いますが、本当に情報共有を徹底して実践できている組織は、それほど多くないかと思います。
情報共有が進んでいないように感じる分野としては、会計に関する情報があります。
「自社の決算書を見たことがない」という社員さんはかなり多いように思いますが、自社の損益情報や資産情報をしっかりと把握していなければ、経営者や管理職が行う意思決定に共感するのは、かなり難しいと思います。
小学校でも社会科の授業で社会の仕組みについて習うと思いますが、社会の仕組みを理解していなければ、社会人としての意識が芽生えることはありません。
それと同じように、自分の会社の仕組みが理解できていなければ、自社について主体性を持って考えることはできません。
どこまでの情報を共有するのか
情報共有については、「どこまで共有すべきなのか」ということも、実際に共有を進めるときには大切かと思います。
基本的には、できる限り「すべてをオープン」という姿勢でよいかと思いますが、プライバシーに関することは慎重に進める必要があるかと思います。
たとえば、一人ひとりの給与額や家族の状況などのプライバシーに関わることは、情報共有の仕組みによって共有されるのではなく、それぞれの関係性のなかで「自然と共有されている」という感じでよいかと思います。
ただ、これらのことには「必ずこうすべき」という正解はなくて、それぞれの会社によってみんなで決めていけばよいかと思います。
組織と個人がパートナーになるには会計情報の共有が必要だと述べましたが、それが顕著に表れるのは「賞与の意思決定」のときになります。
賞与の意思決定については、別の機会に扱いたいと思います。