• ティール組織(自律分散型組織)

ティール組織の権限と意思決定 ― 助言プロセスと人事評価制度の見直し

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こんにちは。生きがいラボの福留です。

ティール組織について基本的な考え方をご存じの方に向けて、今回は特に「権限」「意思決定」「評価制度」に焦点を当てて整理してみます。

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助言プロセスやノーレイティングといった実践的な仕組みを理解することで、自社の人事制度改革にも役立てていただければと思います。

ティール組織における権限の分散

従来の組織では、権限は管理職や経営者に集中してきました。
しかしティール組織では、権限は委譲されるものではなく、組織全体に分散されます。

社員さん一人ひとりが「許可を得る範囲で動く」のではなく、「組織の目的のために責任を持って行動する」ことが基本です。

これにより、自己組織化が自然に促され、柔軟で活気ある組織運営が可能になります。

助言プロセスによる意思決定の仕組み

ティール組織の意思決定で特徴的なのが「助言プロセス」です。

合意形成を前提とするのではなく、最終的な意思決定は当事者が行います。
ただし、その前に関係者や専門性を持つ人に助言を求めることが必須です。

この仕組みにより、スピード感と納得感を両立でき、組織全体の学習も進みます。
助言プロセスは、意思決定の質を高めるだけでなく、信頼関係を深める重要な手段となります。

ノーレイティングと人事評価制度の見直し

ティール組織を導入する際、多くの企業で悩まれるのが人事評価制度の見直しです。

従来型の点数やランクをつける人事評価は、社員さんの内発的動機を損ねやすく、組織文化にそぐわなくなることが多いです。

そこで注目されているのが「ノーレイティング」です。
これは評価をやめるのではなく、点数化をやめて対話やフィードバックを重視する仕組みです。

社員さん同士のピアフィードバックや、未来志向の対話を通じて成長を支援することが目的です。

また、当社が提唱する自己申告型給与制度も、ティール組織にマッチする人事制度として、選択肢の一つだと考えています。

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ティール組織導入で直面する課題と対策

ティール組織や自己組織化を導入する際、多くの経営者さんが以下の課題に直面します。

導入の難しさ
既存の慣習を手放すのは容易ではありません。
小規模チームから始め、成功事例を積み重ねることが効果的です。

意思決定の質の不安
経験やスキルの差により判断のばらつきが出ることがあります。
助言プロセスを丁寧に行い、実践を通じてスキルを高めていくことが大切です。

情報共有の負担
透明性の確保と情報過多は紙一重です。
情報管理システムを整え、必要な情報にアクセスしやすい環境をつくることが重要です。

人事評価制度の課題
従来型の査定が機能しなくなった後、基準が曖昧になると混乱を招きます。
ノーレイティングをベースに、納得感あるフィードバック制度を育てていくことが必要です。

不安定さへの懸念
変革期には不安が伴います。
変化の必要性を感じるストーリーや思いを共有し、前向きに挑戦できる文化を育むことが欠かせません。

成功事例から学ぶ

オランダのBuurtzorg(ビュートゾルフ)など、世界にはティール組織の特徴を体現する成功事例が多数存在します。

重要なのは「制度をそのまま真似ること」ではなく、自社の文化や目的に合った形で
助言プロセスなどを取り入れていくことだと考えています

ティール組織への移行は、単なる制度変更ではなく「組織文化の変革」です。

焦らず、対話を重ね、自己組織化を育む取り組みこそが、未来につながると思いますし、
人事制度改革も必要不可欠なポイントになると私は思います。

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