初任給高騰に自律分散型組織ではどう対応するのか?
- カテゴリ:ティール組織(自律分散型組織)
初任給が高騰しているというニュースを、よく目にします。
日本経済新聞社さんの調査では、2025年度の初任給を30万円以上にした企業が131社となり、前年度が58社だったので倍以上になったとのこと。
「初任給30万円時代」が本格的に到来する予感がします。
これから社会に出る人にとっては喜ばしい変化かもしれませんが、一方で、初任給高騰への対応に苦慮されている企業さんも多いかと思います。
今回は、初任給高騰への対応について扱いたいと思います。
初任給引き上げの影響とは?
社会全体として初任給が上昇している局面では、自社だけはそのままというわけにはいきません。
新しい社員さんを採用できなくなってしまいます。
ですので、多くの企業さんでは初任給を引き上げるという対応が必要になると思うのですが、もっとも頭を悩ますのが「既存社員さんとのバランス」ではないでしょうか。
初任給を引き上げたことで、2年目・3年目の社員さんと新入社員さんの給与額が逆転してしまうということが起こってきます。
多くの企業さんでは、逆転はマズイということで、逆転現象が起きないように2年目・3年目の社員さんの給与額も引き上げたりして対応します。
そうすると、今度は4年目・5年目社員さんとの逆転が起きたりして、ドミノ倒しのように給与額を引き上げていくという対応が必要になります。
社員さんに誠実な対応をしようとする企業さんほど、この対応には頭を悩ませるのではないでしょうか。
自律分散型組織での初任給引き上げの対応
自己申告型給与制度をご導入いただいている私のお客さまでは、「給与を会社が決める」という構造を手放していて、社員さんがご自分の給与を自己申告して、その申告をスタートに社員さんと会社が対話しながら給与を決めていきます。
会社が給与を決めるという構造を手放すと、初任給引き上げへの対応も、ものすごくシンプルになります。
私のあるお客さまでは、初任給引き上げへの対応として行ったのは、「当年度の初任給を全社員さんに情報共有する」ということだけです。
あとは、それぞれの社員さんがその情報をもとに、ご自分で判断をすることになります。
たとえば、2年目の社員さんが「自分の給与が新入社員さんとほとんど変わらないのはおかしい」と思えば、給与額を少し高めにして自己申告することになるでしょう。
一方で、「自分は2年目だけどこの1年でそんなに成長できなかったな」と感じれば、初任給とあまり変わらない給与額を申告する社員さんもいらっしゃると思います。
給与額を自己申告する仕組みがあれば、情報をオープンにするだけで、それぞれの社員さんがご自分で判断して、ご自分が納得する給与額を申告できるのです。
このような対応は、自律分散型組織の本質的な対応だと思います。
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