人事評価を廃止するとは、“過去から未来への転換”である | 【自己申告型給与制度設計運用|生きがいラボ】

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人事評価を廃止するとは、“過去から未来への転換”である

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こんにちは。生きがいラボの福留です。

最近は頑張ってX(Twitter)を毎朝投稿しているのですが、Xは280字の縛りがあって投稿の背景まで説明できないので、10/27~11/9に投稿した内容を少し補足してブログでも投稿しようと思います。


福留のXはこちら → https://x.com/tome_suke

人事評価をなくしたら社員がサボる?

「人事評価をなくしたら、社員さんがサボるのでは?」という質問を受けることがあります。

確かに、点数や評価があることで、人が動いてきた側面はあるかもしれません。

けれど私は、人は見張られることで動くのではなく、信頼されることで力を発揮するのだと思っています。

点数が焦点を「過去」に固定してしまう

人事評価制度は、どうしても「過去」に焦点をあててしまいます。

1on1の時間も、「この半年でできたこと・できなかったこと」を振り返る時間になりがちです。


もちろん、過去の振り返りは大切ですが、そればかりでは未来にエネルギーが向かわないと感じています。


これからの組織に必要なのは、「過去を振り返る場」ではなく、未来を語り合える場なのではないかと思います。

その一つの形が、私たちが取り組んでいる「自己申告型給与制度」です。

フィードバックの本質は「一方的な評価」ではなく「共に考える」

「評価をなくす」というと、「フィードバックもやめるのですか?」と聞かれることがあります。


でも、私はフィードバックこそ人の成長に欠かせないものだと思っています。


大切なのは、一方的に決めるのではなく、対話をきっかけに共に考えること

その転換こそが、人事制度のあり方に必要なことだと感じます。


点数の「公平さ」よりも、言葉で伝え合う「誠実さ」の方が、信頼を育てるのではないかと思います。

「何をしたいか」を考える場が、生きがいにつながる

人事評価をなくすと、「何をすればいいのか分からない」という声も出てきます。

でも私は、むしろそこに大切な可能性があると感じています。


「何をすべきか」が他者から与えられないからこそ、「自分は何をしたいのか」「どんな貢献をしたいのか」を自分で考えるようになります。


そしてその過程こそが、生きがいにつながっていくのだと思います。

制度が「静的」だと、人は動けなくなる

多くの会社では、人事制度や等級制度が「成長を支える仕組み」として導入されています。


しかし、実際には「点数を上げること」に意識が向き、挑戦よりも安全策を選ぶようになるケースも少なくありません。

それは社員さんの意識の問題というよりも、制度の構造が生み出した行動パターンだと思います。


ジョブディスクリプションや等級定義などの「静的」な構造が、変化の速い時代への対応を阻害することがあるように思います。


私は、社員さんが未来に向かって「したい」と思うことを実行できる、“動的な仕組み”と“対話の場”が必要だと感じています。

自己申告型給与制度は、まさにその対話の器です。

「給与」を対話の入り口にするという挑戦

人事制度の中で、最もセンシティブなテーマが「給与」です。

多くの組織では、給与の決定は一方的に行われます。


しかし、自分にとって大切なお金の話が「自分の関わらないところ」で決まるとしたら、多くの人は納得できないのではないでしょうか。


だからこそ、給与について本音で対話できる場をつくることが重要だと思っています。

その場を通して、社員さんが自分の人生や働き方を、受け身ではなく「自分ごと」として考えるようになる。


そうして生まれた対話の中にこそ、生きがいやパートナーシップが育まれるのだと思います。

制度を変えることは、関係性を変えること

人事制度を変えるということは、経営者さんと社員さんの関係性を見直すことだと感じます。


ノーレイティングの導入や等級制度の廃止は、単なる「制度改革」ではなく、関係性の転換です。

制度を変えることで、人の見方が変わり、関係性が変わる。


そしてその関係性の変化こそが、組織を成長させる原動力になると思います。

おわりに

私は、人事制度を「成果を上げる仕組み」としてではなく、「生きがいを育む仕組み」として見ています。


自己申告型給与制度とは、人と人が未来を語り合うための“器”。

社員さんと経営者さんがパートナーとして未来を描き合う。


そんな組織が増えていくことが、私の願いです。

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