ノーレイティングでは、昇給や賞与はどのように決めるのですか?
- カテゴリ:よくあるご質問
人事評価による点数づけ・ランクづけを廃止したノーレイティングについて、最も多いがこのご質問です。
たしかにレイティングを廃止してどう給与を決めるのかは、なかなかイメージが湧かないと思います。
一般的なノーレイティングでは、部下の昇給や賞与を、上司である管理職が決定することが多いです。
もう少しイメージが湧くように説明します。
ある部署に人件費予算が割り当てられ、部署のトップが部下一人ひとりの昇給額や賞与額を、予算の範囲内で決定するというイメージです。
レイティングを廃止することによって、点数づけやランクづけをするための膨大な時間を別のことに使えるようになります。
ノーレイティングを導入している企業の多くが、ノーレイティングと合わせて、上司と部下のコミュニケーションを促進する施策も実施しています。
これには次のような理由があります。
上司の人事評価に対して、不満を感じる部下はどの企業でもいらっしゃると思います。
人事評価に対する不満の原因を考察してみると、上司と部下のコミュニケーションの「質」の問題が浮かび上がります。
レイティングを行う人事制度だと、人事評価に関する面談は、「過去」の実績や行動を何点だと評価するかがテーマになってきます。
その時に、たとえば上司が低い評価をつけた時の部下の心理としては、「上司は自分のことを見てくれていない」「なぜもっと早く言ってくれないんだ」という気持ちが湧いてきてもおかしくありません。
これを解消するには、コミュニケーションを促進する施策になるわけですが、レイティングが必要な人事制度だと、上司はレイティングにかなりの時間を費やす必要があります。
それに対して、レイティングを廃止したノーレイティングでは、上司はレイティングをする必要がありませんので、部下の目標達成をサポートするための時間をより多く取ることが可能になりますし、面談のテーマとして「過去」のことよりも「今」や「未来」のことに十分な時間を取ることも可能になります。
ノーレイティングは、上司の限られた時間をより建設的なテーマに使うことを可能にする仕組みです。
そのことによって、上司が決定する昇給額や賞与額への納得感が高まることを意図しています。