ブログ

人事制度が抱える根本的な問題

  • カテゴリ:ノーレイティング(No Rating)

人事評価の「公平性」「客観性」を高める努力をしても本質的な問題は解決しない、という私の考えを前回からお伝えしています。

※前回の記事「公平な人事評価というワナ

 

人事評価の公平性/客観性を高める取り組みとして2番目に挙げた『評価者(管理職)の評価スキルを高める』について、今回は書きたいと思います。

 

人事評価への不満があると、ほとんどの会社は人事評価者の評価スキルを挙げる必要があると考えます。

 

まったく効果がないかというと、ある意味で効果はあると思います。

 

「ある意味で」という表現は何かというと、人事評価者=管理職さんの成長には効果があるということです。

 

ただ単に評価点をつけるだけのスキルだったら意味はないと思いますが、管理職さんが自分の先入観や偏見を超えて部下の言動を観るスキルを身につけることは、管理職さんの成長につながります。

 

ただし、人事制度の公平性/客観性を高めるという面では、期待するほどの効果はないと思います。

 

管理職さんといえども人間ですから、完全に公平で客観的な人事評価など不可能だからです。

 

この考え方の流れで「人間に人事評価をさせるとダメだ」ということで、「AIに人事評価させよう」という動きもありますが、私からするとこれも的外れな施策です。

 

根本的な問題は「誰が・どんな評価をするか」ではないからです。

 

人事制度が抱える根本的な問題は、「社員さん本人が決められない」ということです。

 

給与という、社員さんの人生にとって大きな要素が、自分の知らないところで他者によって決められていることが、根本的な問題なのです。

 

社員さん本人が決める」ということを出発点にすることが、人事制度の「公平性」を高めることにつながります。

 

冒頭で「人事制度の公平性を高めようとしても本質的な問題解決にならない」と言いつつ、ここで再度「公平性を高める」という表現を使いました。

 

矛盾したことを言っているように思えるかもしれませんが、実は「公平性」には2種類あります。

 

次回は、「公平性」について更に突っ込んで書きたいと思います。

 

◆◆ご質問やご相談は下記のページから◆◆

 ★お問い合わせページ → https://ikigai-lab.jp/contact/

 

ブログ blog
生きがいラボ株式会社
受付時間 /平日 9:00~18:00