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一般的な人事制度の問題点

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いつもありがとうございます。生きがいラボの福留です。

私が、給与を社員さん本人が自己申告する取り組みを始めたのは、一般的に普及している人事制度にはさまざまな問題が存在すると考えているからです。

今回から一般的な人事制度が抱える問題点について触れたいと思います。

 

一般的な人事制度の基本構造

 

これまでの人事制度の歴史では、さまざまな人事制度の理論が生まれてきました。

「職務給人事制度」「職能資格人事制度」「成果主義人事制度」「コンピテンシー人事制度」「役割給人事制度」など、さまざまな考え方が世に出てきましたが、

その基本構造はどれも同じで、人事制度は次の3つのシステムが密接に連動する構造になっています。

① 等級制度:一定の基準によって、社員さんを「格づけ」する
② 評価制度:等級ごとの評価基準によって、社員さんに「点数」をつける
③ 給与制度:評価点数によって、社員さんの「給与」を決める

さまざまな人事制度の理論がありますがが、その違いは「何を基準に格づけするか」「何を基準に点数をつけるか」「点数を基準にどのように給与を決めるか」だけです。

つまり、「判断の根拠」だけが違うだけで、基本的な構造は同じなのです。

たとえば、職能資格制度ならば「職務遂行能力」をもって判断しますし、コンピテンシー人事制度ならば「コンピテンシー」、成果主義人事制度ならば「成果」、職務給制度ならば「職務」、役割給制度ならば「役割」、という風に、

それぞれの理論によって何をもって格づけ・評価するかが違ってきますが、制度の構造そのものは同じなのです。

少し毛色の違った人事評価として、多面評価・360度評価もありますが、点数のつけ方が変わっているだけで、人事制度そのものの構造は同じです。

 

一般的な人事制度の根底に流れる思想

 

さまざまな人事制度の理論が生まれながらも、なぜ同じ構造を持つのでしょうか。

その理由は、この「等級→評価→給与」という構造を持つ一般的な人事制度の根本には、次のような人間のモチベーションに対する考え方が存在するからだと考えています。

『望ましい行動に対して報酬を与えると、モチベーションが向上し、望ましい行動が再現・強化される』

これが、従来型人事制度の根本に流れる思想です。

望ましい行動に対しては、給与(月給や賞与)の増額という金銭的報酬を与えることでモチベーションを高め、その行動が再現されることを促進する。

その一方で、望ましくない行動に対しては、金銭的報酬を与えないことで、望ましくない行動を矯正する。

つまりは『アメとムチ』の論理なのです。

金銭的報酬による「アメとムチ」によって、社員さんの行動を「コントロール」しようとするのが、一般的な人事制度の根本原理なのです。

このときに重要となる要素が、「いかに点数をつけるか」と「いかに給与を決めるか」という「評価と給与の連動」です。

人事制度理論の歴史を簡単に表現すれば、この「評価と給与の連動」を追求してきた歴史といえます。

次回も引き続き、一般的な人事制度の問題点について書きたいと思います。

 

この記事の続き
人事制度の「構造」を変えなければならない理由

 

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