部下をやる気にさせるのは上司の役割か?
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いつもありがとうございます。生きがいラボの福留です。
前々回から一般的に言われている「管理職の役割」について、私が持っている違和感について書いてきました。
その違和感とは、下記の2つです。
1.管理職に多くを求めすぎている
2.外部からの刺激がなければ人は怠けるという人間観に基づいている
今回も、1番目の「管理職に多くを求めすぎている」ということについて、「本来は管理職の役割ではないことまで抱えこんでしまっている」という視点を書きたいと思います。
※前回の記事「部下が納得する人事評価をするのは管理職の責任なのか?」
※前々回の記事「あまりに多くのことを求められている管理職」
やる気が起こらないのは全て上司の責任なのか?
人事の世界にいると、「やる気が起こらない」とおっしゃる社員さんともお話をすることがあります。
長い職業人生のなかで、やる気が起こらないという期間は、多かれ少なかれ誰にもあることだと思います。
そこには何かしらの原因があるはずなのですが、大切なのは、その原因に対して自分自身が主体的に変化を起こしているかどうかだと思います。
しかし、やる気が起こらない状況に対して、「上司が悪い」「会社が悪い」「〇〇さんが悪い」というように、他者の責任にしていることも多いようにも見受けられます。
原因が自分以外の場合もあり、しかも自分でどうにも出来ないことが原因ならば、その組織から退出することも視野に入れた方がいいと思いますが、
私のこれまでの経験上、ご自分がその問題に対して何も行動していないケースも多々あります。
もしも、やる気が起きない状況に置かれている時に、その状況を変えるための努力をしていないのならば、「やる気が起きない」という状況を自分で選んでいるということです。
本音の対話が圧倒的に不足している
人事制度の視点で言うと、ほとんどの人事評価制度では、管理職さんの評価項目には「部下の動機づけ」が入っています。
たしかに、上司は部下のやる気に大きな影響を与える存在であることは間違いないと思いますが、
部下のやる気について、管理職さんにすべての責任があるとするのは行き過ぎているように感じています。
私の考えでは、仕事に対してのやる気を高めるのはご本人に依るところが大きく、上司ができるのはサポートまでです。
ご本人にその気がなければ、上司がどう関わってもやる気を高めることなど出来ません。
本当に大切なのは、社員さん一人ひとりが「本音」を率直に言える「対話の場」があるかどうかです。
人事評価の場で「感情」を扱うことは、半ばタブーとされていますが、感情という「本音」を上司と部下が相互理解することから、本当の信頼関係が始まります。
もしある部下のやる気が低下しているならば、その状況についてどうするかを上司とご本人が協力して探求しなければ、根本的な変化は期待できません。
あくまでも、自分のやる気は自分で高めるということ前提にしなければ、管理職さんに過度な責任を押し付けることになってしまうのです。
※この記事のつづき「人事制度は「人間の本質」を曲げてはならない」
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