点数をつける人事制度によって目標管理制度の良さがなくなる
- カテゴリ:ノーレイティング(No Rating)
いつもありがとうございます。生きがいラボの福留です。
人事評価で点数をつけなければならないという事情から、人事評価の項目、とくに目標管理制度における目標を過度に数値化してしまう弊害について、前回はお伝えしました。
今回は、人事評価における点数づけ(=レイティング)の弊害を、違う視点でお伝えしたいと思います。
※前回の記事「本当に大切なことを目標設定するには?」
目標が固定化する従来型の人事制度
目標管理とは、自分が望んでいる未来に対する「目標」を設定し、その実現に向けた「計画」を考えて、目標と行動の進み度合いを進捗管理することで、目標を効果的・効率的に実現していこうとするためのツールです。
しかし、目標管理が点数をつけなければならない人事制度と結びつくと、いろいろな弊害が出ます。
1.期首に立てた目標を期中に変えられない
2.余裕をもって達成できるような低いレベルの目標になる
3.同じ職種で同じ等級の目標が画一的になる
1つ目に挙げたように、多くの人事制度では、期中の目標変更は基本的にはできない仕様になっています。
なぜなら、期首に立てた目標の達成率によって点数が決まり、その点数が給与に連動していくからです。
個人の好き勝手にコロコロと目標を変えられるようでは、公平な点数づけができないという論理です。
この考え方は、一見すると理に適っているように感じますが、現在の社会環境とは合わなくなってきています。
期首に立てた目標のすべてが、半年後や1年後も「意味のある目標」として存在することが難しくなっているのです。
正解が見えづらい社会のなかでは、仮説に基づいて目標を立てることが多くなります。
仮説ですから、外れることもあります。
外れること自体は問題ではなくて、それを短い期間で修正していけるかが大切なポイントなのですが、点数をつけるための目標管理制度だと、仮説に基づく目標設定を許容しづらいのです。
なぜなら先ほども述べたように、期首に立てた目標で点数をつけなければならないからです。
そして社員さんからすると、すでに意味を失った目標について、一応は結果を報告しなければならず、すでに意味を失った目標によって、自分の評価が決まるのです。
これでは、目標管理を真剣に取り組もうという意欲が湧くはずがありません。
目標管理というツールは、使いようによっては目標を追い求めるときに非常に有益なツールだと思いますが、人事制度と連動することでその良さが失われてしまいます。
2番目の説明に移ろうかと思いましが、長くなりましたので次回にさせていただきます。
※この記事のつづき「目標管理がなぜ成長のサポートにならないのか?」
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