ノーレイティングのメリットは?(3)【自分自身の経験から解説します】
- カテゴリ:ノーレイティング(No Rating)
ノーレイティングのメリットは、人事制度を設計・運用する労力が劇的に軽減されることで、より建設的なことに時間を使えるようになることです。
人事制度の運用において、労力と時間がかかることは「評価の調整」です。
社員さんご本人の知らないところで行われるこの「調整」は、従来型の人事制度の運用においては必要なことですが、あまり価値のあることではありません。
ノーレイティングでは、このような評価の調整がありませんので、より建設的なことに時間をかけることができます。
建設的なことの代表的な施策は、上司と部下の密接なコミュニケーションです。
ノーレイティングを導入する企業の多くは、1on1などの施策に強化していますが、評価の調整にかかっていた時間を1on1に使うことは、とても建設的な変化となります。
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1on1の効果と難しさ
1on1に代表される上司と部下のコミュニケーションを促進する施策は、さまざまな変化を生みます。
そのなかでも最も大きい変化は、上司と部下の相互理解が深まるということです。
コミュニケーションの「量」は、相互理解を深めるためには必要です。
さらにノーレイティングでは、コミュニケーションの「質」にも変化があります。
従来型の人事制度では、上司は人事評価をしなければいけませんので、上司と部下の関係は、評価を「する側」と「される側」という意識になりがちです。
しかしノーレイティングでは、人事評価による点数づけがありませんので、上司は部下の目標達成をサポートすることに、意識を集中することができるのです。
つまり、コミュニケーションの目的が変わるということです。
この点も大きな変化になりますが、これは管理職さんが「楽になる」ということではありません。
管理職さんのコミュニケーションやコーチングのスキルが、より強く問われることになりますので、管理職さんのスキルの差によって活性化するチームとそうでないチームの差が明らかになります。
ただ私の経験では、ノーレイティングの導入によって点数づけから解放されることで、管理職という役割の「喜び」は増すように感じています。
ノーレイティングの導入によって、管理職の役割のなかで「部下をサポートする」という部分が大きくなりますので、部下の成長をより感じられるようになったり、部下との信頼関係がより高まっていることを感じられるようになります。
それこそが、管理職という役割を通して得られる、最高の喜びではないかと思います。
まとめると、ノーレイティングによって管理職の役割が変わり、そのことによって管理職のスキルがより求められるようになりますが、役割と通して得られる喜びも高まることになります。
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