従来型の給与決定は民主的ではない
- カテゴリ:自己申告型給与制度
いつもありがとうございます。生きがいラボの福留です。
前回は、給与への不満の根本には、自分の知らないところで給与が決められるという「構造」への怒りがある、という私の仮説をお伝えしました。
この仮説に基づいて考えると、1on1などの管理職と部下のコミュニケーションを促進する施策を行っても、または人事評価研修を行って管理職の評価スキルを高めても、状況がある程度は好転することはあっても根本的な解決には至りません。
制度の構造が変わっていないからです。
※前回の記事「「どうやって給与を決めるか?」が最大の課題だった」
給与決定の未来像は「民主的プロセス」
私が「怒り」という強い言葉を使ったのは、私が起こそうとしている給与決定の変化について、専制政治に対して革命を起こして民主主義を勝ち取ってきた人類の歴史をイメージするからです。
専制政治という言葉にはいろいろな定義があると思いますが、簡単にいうと、大多数である民衆に政治参加の権利がないということです。
この民主主義という視点で見ると、従来型の給与決定プロセスは民主的ではないと私は感じています。
一般的な給与制度では、多少の自己評価が反映されることはあっても、社員さんが給与額について「公式な場」で自分の意見を言うことができません。
公式な場で言うことができないから、陰でコソコソ言うしかないのです。
これは、経営者さんや管理職さんの人格や良心やマネジメント能力などの問題ではなく、給与決定の「構造」が生み出した問題です。
給与という、社員さんの人生にとって大きな要素について、ご本人が意見を言う場が限定されているのは、客観的に見ると大変おかしなことです。
しかし、これまでの給与制度が頭のなかに定着してしまっていて、「当たり前」になって
しまっているのだと感じています。
昔は、女性には参政権がなかったり、収入によって制限がある時代がありましたが、今では信じられないことが「当たり前」になっていました。
給与についても、今は「会社が決めるもの」ということが当たり前になっていますが、これからは「本人との話し合いで決めるもの」という民主的プロセスが当たり前になっていくのではないかと思っています。
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