給与の定義を180度変える
- カテゴリ:自己申告型給与制度
前回は、給与制度を構築するときに、
「他律から自律への変革」
というメッセージを給与制度に込めるべきだとお伝えしました。
今回からは、「自律」というメッセージを表わすには、具体的に給与制度をどのように変える必要があるのかを扱います。
※前回のブログはコチラ「給与制度で自律を推進するには?」
そのためには、
「そもそも給与とは何なのか?」
という根本から見直していく必要があります。
給与は、一般的には「労働の対償」として存在します。
もちろん、家族手当などの労務とは関係ないものもありますが、主としては「労務の提供」に対して支払われます。
労働の対償ということから派生して、給与の定義づけとして、次の3つの要素が認知されています。
1.給与は、「過去の実績」に応じて支払われる
2.給与は、「客観的な根拠」に基づいて支払われる
3.給与は、「会社側」から提示される
この3つの認識については、概ね異論がないのではないでしょうか。
しかし、給与制度によって「自律への変革」を求めるためには、この3つの給与の性質を180度転換する必要があります。
つまり、
1.給与は、「未来の貢献」に応じて支払われる
2.給与は、「主観」に基づいて支払われる
3.給与は、「社員側」から提示される
というように、給与を定義するのです。
この3つの性質を端的に表すために、私は「給与は投資である」と定義づけています。
会社を投資家、社員さまが事業家と位置づけて、
投資家が事業家に対して投資する意思決定プロセスによって、給与制度を設計していくのです。
そうすることで、給与制度を通して、「自律」のメッセージを強烈に発信することができます。
次回以降は、先に述べた「給与は投資である」という定義づけについて、一つずつ詳しく説明していきます。