経営者と社員さんがパートナーになるための条件
- カテゴリ:企業経営
いつもありがとうございます。生きがいラボの福留です。
企業は社員さんに、次の3つを提供することを約束しよう、とお伝えしてきました。
1.社会に貢献する機会
2.成長(挑戦)の機会
3.自律の機会
今回は、上記の3つを約束することで、企業と社員さんがどんな関係になっていくか
を書きたいと思います。
前回の記事
「キャリアを考えることは生きがいにつながる」
企業と社員さんがパートナーになる条件
現在でも、優秀な社員さんほど、「社会貢献」「成長」「自律」という3つの機会に対する関心が強いと感じています。
企業は、社員さんに3つの機会を提供すると同時に、社員さんに対して「社会貢献」「成長」「自律」を要求することが大切です。
そうしなければ企業のビジョンが実現できませんし、その社員さんの職業人生も豊かにならないからです。
もし、自社で働いている社員さんが、「社会貢献」「成長(挑戦)」「自律」の機会に関心がなく、自分の安心・安定・安全にばかり関心があるのであれば、こう伝えなければならないと思います。
この企業の目的は、ビジョンを実現することです。
この企業で働くことで豊かな職業人生を送ろうと思えば、自社のビジョンに共感し、ビジョンの方向に向かって努力していることが必要です。
もし、あなたがビジョンに貢献したいという気持ちを持たず、成長意欲も低く、責任も引き受けたくないのなら、あなたとパートナーとしての関係を築くことはできません。
そしてそれは、あなたの職業人生にとっても、望ましいことではないでしょう。
だから、もしあなたが自社のビジョンに向かって努力する気になれないのであれば、あなたがビジョンに共感できる別の企業に移った方が、お互いのためです。
現代の企業と社員さんの関係はイビツになっている
現代社会においては、企業がこのような発言をすれば「パワハラ」「モラハラ」のように捉えられそうですが、本質的にはまったく違います。
お互いを尊重し合えるパートナー関係になるには、ビジョンや価値観が共有されていなければなりません。
逆に言えば、本音で対話したうえでビジョンや価値観が共有できないのであれば、関係を解消した方が双方のためなのです。
企業側から関係を解消すると「解雇」あるいは「退職勧奨」となり、社員さん側から関係を解消すると「退職」となります。
企業と社員さんが本当に対等な立場となり、お互いを尊重し合う関係を築くには、関係を解消する意思表示をできることが、「双方」に保障されなければなりません。
その緊張感が、お互いの責任を強く意識するエンジンになるからです。
現代社会においては、企業と社員さんの関係は、労働法制や雇用慣行によってイビツになってしまっています。
イビツになってしまった企業と社員さんの関係をリセットし、本当のパートナー関係になるためには、お互いの「責任」に着目すべきなのです。
覚悟の交換が関係性を変革させる
企業が社員さんに約束することを変革することで、その企業のビジョンや価値観に共感する人は、自分の時間をそのビジョンのために使うことを選択し、
ビジョンや価値観に共感できない人は、その企業を去り、自分が共感できるビジョンを持つ別の企業を見つけ、そこで自分の価値を発揮するという社会が実現できます。
言い換えれば、社員さんは、その企業に所属していることが、自分の選択であることを強く自覚し、その企業に所属する限りは、ビジョン実現に貢献することが責任となるということです。
そして、企業は、社員さんへの3つの約束を守ることを自らの責任とする。
そのようなお互いの責任を自覚した関係が土台になければ、企業と社員さんがパートナー関係を築くことはできません。
もし、企業と社員さんがともに自律し、責任を自覚するようになれば、ブラック企業などは自然と存在できなくなります。
そのような企業からは、人がいなくなるからです。
ブラック企業対策として、いくら規制を強化しようが、企業名を公表しようが、根本的な解決にはならないと私は思います。
経営者は「社会に貢献する企業をつくる」という覚悟を持ち、社員さんは「ビジョン実現に貢献する」という覚悟を持つ。
この「覚悟の交換」がなければ、経営者と社員さんは永遠にパートナーとはなれず、双方とも仕事を通して「生きがい」を感じることなどできないと私は思います。
出発点は「責任をとる覚悟」なのです。
ただし、社員さんに対する責任の要求を、酷使する方便に使ってはなりません。
根本には、人間尊重の価値観と、社員さんをパートナーとして信じ切る勇気が必要です。
現在の社会風潮では、社員さんを信じても裏切られることもあるでしょう。
しかし、それでも信じ続けるという覚悟を持つことからこそ、経営者と社員さんが真のパートナーになれるのだと私は思います。
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