部下との対話で大切なこととは?
- カテゴリ:自己申告型給与制度
当社のNo Rating型人事制度をご導入いただいている企業さまの多くは、
半期ごとに給与(=社員さんへの投資額)を洗い替えで決定していきますので、
9月は、10月からの給与額(投資額)を決定する会議のファシリテーションを
する機会が多くありました。
ちなみに、米国でNo Rating(ノーレイティング)を導入している企業では、
直属の管理職が部下の給与を決定することが多いのですが、
当社のNo Rating型人事制度では、
まずは社員さんに給与額(投資額)について自己申告してもらい、
会社と社員さんの対話のなかで給与額を決定していきます。
※当社のNo Rating型人事制度では、給与を「投資」と位置づけていますので、
その考え方をお知りになりたい方は、この記事をお読みください。
■社員さんをコントロールしない
社員さんからの自己申告では、給与額(投資額)の他に、
半期に貢献する内容や、
チャレンジする自己成長、
半期の活動が自分の人生ビジョン・キャリアビジョンとどれぐらい一致しているのか、
などを申告してもらいます。
社員さんからの申告をもとに、
会社が期待することもお伝えし、
お互いにとって納得のいく給与額や半期の活動内容を「探求」していきます。
このときに大切になるのは、
いろいろ対話した最後には、社員さんご本人の意思決定を尊重することです。
前回の記事で、
「メンバーに変化を求めることがリーダーの役割」とお伝えしたことと
矛盾するように感じますが、
リーダーがメンバーを「変える」ことはできませんし、
それをするのは、行き過ぎた行為です。
リーダーができることは、
メンバーに期待することを伝えることだけであって、
実際にそれを受け入れるかどうかは、メンバーの意思決定です。
それを無理やりに従わせようとすると、
メンバーがやらされ感で仕事をするようになったり、
もっとひどいケースでは、
パワハラやメンタルヘルスなどの問題に発展したりします。
組織における役職というのは、あくまでも役割に過ぎませんので、
部下を独立した個人として尊重する姿勢が大切だと思います。
■意思決定には責任が伴う
部下の意思決定を尊重することは、
言い方を変えれば、部下に責任を要求するということです。
意思決定には必ず責任が伴います。
責任とは、自分が行った意思決定に伴うすべての出来事を、
他者のせいにせず、自分で引き受けるということです。
部下の意思決定を尊重しなければならない最大の理由は、
部下の「人生」に責任をとるのは、部下ご本人しかいないからです。
上司として「責任はすべて自分がとる」というのは美徳に感じますが、
長い目でみると部下のためにならないと、私は思います。
部下を一人の人間としてその意思決定を尊重し、
意思決定に伴う責任も部下に引き受けてもらうことが、
真の意味で、部下のより豊かな人生を応援することになるのだと思います。