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人事制度設計で忘れてはならない3つのこと

  • カテゴリ:ノーレイティング(No Rating)

私は2010年からNo Rating(ノーレイティング)型人事制度の設計をしていますが、

一般的な人事制度と比べて、ノーレイティングの構造は劇的にシンプルですので、

とても自由度が高い制度設計になります。

 

設計の自由度が高い分だけ、設計側がどんな意識で設計したのかによって、

制度の内容が大きく変わりますし、

 

しっかりとした『意図』『目的』を持っていないと、

「これでいこう!」となかなか決めきれないという状況に陥りがちです。

 

今回から数回にわたって、

No Rating(ノーレイティング)型人事制度を設計するときに必要な考え方を

お伝えしていきたいと思います。

 

 

■3つの基本的な方向性

 

No Rating(ノーレイティング)型人事制度の設計をお手伝いするときに、

私が方向性として持っていることがあります。

 

挙げだすとたくさんあるのですが、特に大切だと思っているものは次の3つです。

 

 

1.上位概念から発想する

2.配分的公平ではなく手続き的公平を目指す

3.レアケースまで仕組みにしない

 

 

3つともお伝えするとかなり長文になりますので、

今回は1つ目だけにしたいと思います。

 

 

■いろいろ気にしすぎない

 

ノーレイティングに限らず人事制度を設計していくときには、

いろいろなことが気になります。

 

大きなところでは、

 

「これで給料への不満が解消できるかな?」

「うちの社員さんはキチンと理解してくれるかな?」

「反発が起きないかな?」

「きちんと運用できるかな?」

「これで社員さんのモチベーションが上がるかな?」

 

などが気になることではないでしょうか?

 

人事制度は、社員さんにとって関心が高いテーマですし、

不満の原因にもなりやすいことですので、

社員さんの反応が気になる心情は痛いほど分かります。

 

しかし、あまりいろいろなことを気にしすぎると、

意思決定がドンドン難しくなっていきます。

 

こういうことを言うと身もふたもないのですが、

結論を言うと、「気にしすぎない」ことが必要です。

 

どんな取り組みも、

最後は「やってみないと分からない」ものです。

 

人事制度を設計するときには、

 

プロトタイプをリリースして運用しながら作りこんでいく

 

という進め方がよいと思います。

 

 

■常に「ありたい姿」「あるべき姿」を意識する

 

先ほど、いろいろなことを気にしすぎないとお伝えしましたが、

「何でもOK」という無責任な姿勢を勧めているわけではありません。

 

社員さんの反応を気にするよりも、意識すべきことがあるということです。

 

それが、3つの方向性の1つ目である

 

上位概念

 

です。

 

 

人事制度の上位概念とは、

 

経営ビジョン経営理念

人材ビジョン(求める人材像)

人事戦略

 

などです。

 

 

要は、この組織は「どうありたいのか?」「どうあるべきなのか?」を

意識しながら、人事制度を設計するということです。

 

もっと深い部分で、

 

自分はどんな人でありたいのか?

どんな人生を歩んでいきたいのか?

社員さんにどんな人生を歩んでほしいのか?

どんな社会をつくりたいのか?

 

を意識しながら設計することも大切だと思います。

 

 

■人事制度に命を吹き込む

 

上位概念を意識して人事制度を設計していくと、

いくら反発が予想できようが、

やらなければならないことがはっきりと分かってきます。

 

というよりも、

どんな反応があるのかがあまり気にならなくなります。

 

覚悟が決まるからです。

 

上位概念と繋がっていて、

かつ、覚悟が伴っている人事制度はとても強力です。

 

人事制度を活用して企業と社員さんのビジョンを実現するためには、

上位概念を意識して、視座を高く持って設計し、

 

人事制度に命を吹き込むことが必要だと思います。

 

次回は、2番目の「配分的公平ではなく手続き的公平を目指す」を

お伝えしたいと思います。

 

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