「ノーレイティング」では社員さんのランキングを行わない
- カテゴリ:ノーレイティング(No Rating)
いつもありがとうございます。生きがいラボの福留です。
前回から、「ノーレイティングとはどんな制度か?」というテーマで、
書かせていただいています。
※前回のブログ「ノーレイティング」とはどんな制度なのか?」
前回のおさらい
前回は、ノーレイティングをご理解いただくために、
ノーレイティングの逆である「レイティング(Rating)」とは何かについて
お伝えしました。
人事制度における「レイティング(Rating)」とは何なのかというと、
1.自社の評価基準によって、定期的に社員さんの仕事に点数をつける
2.社員さんの評価結果(点数)を、部門内や部署間で相対的に調整し、ランクをつける
ということを言います。
前回は、1番目についてお伝えしましたので、
今回は2番目の「相対的な調整」と「ランクづけ」についてお伝えします。
人事評価で相対的な調整をする理由
組織側が設定した人事評価基準で社員さんに点数をつけると、
多くの場合は、その点数を相対的に調整して、社員さんにランクをつけます。
相対的な調整の例としては、たとえば5段階にランクづけする場合だと、
Sランク:全体の10%
Aランク:全体の20%
Bランク:全体の40%
Cランク:全体の20%
Dランク:全体の10%
というように、横軸に点数、縦軸に人数というグラフにすると、
平均値を中心に釣鐘のような曲線(正規分布)になるように点数を調整します。
このような相対的な調整を行う理由としては、
1.評価者(上司)によって、評価スキルにバラツキがあるから
2.処遇(給与額・賞与額)に格差をつけたいから
ということがあります。
1番目の評価スキルのバラツキについては、
評価者によって全体的に甘く(辛く)評価する人がいたり、
自信がなくて当たり障りのない評価をする人がいたりするので、
それを防ぐ目的があります。
そして、2番目の理由については、
多くの人事制度は、人事評価の結果によって昇給額や賞与額が変わりますから、
たとえば全員がBランクだと処遇に格差がつかなくなります。
従来型人事制度(レイティングがある制度)の考え方は、
処遇に差をつければ、社員は良い評価を得ようと努力するというものですので、
実態はどうであれ、評価結果に差をつけなければならないのです。
このような相対的調整やランクづけ(レイティング)を行わない人事制度を、
「ノーレイティング」と呼びます。
前回と今回で、「ノーレイティング」の説明をする前の準備として
「レイティングとは何か」をお伝えしてきました。
次回は、「なぜレイティングを廃止するのか?」について
お伝えしたいと思います。