給与への不満の原因Ⅰ
- カテゴリ:自己申告型給与制度
前回から引き続き、『給与制度』についての私の考えを発信していきたいと思います。
前回の結論としては、
☆ 理想の給与制度など「ない」「ありえない」
☆ 給与についての不満は決してなくならず、どんなに制度を工夫しても、全社員が満足することなどない
という私の見解を申し上げました。今回はその理由です。
※前回のブログはコチラ「理想の給与制度とは?」
給与への不満 ベスト3
私は、人事制度構築コンサルティングに入る前に、
できる限り多くの社員さんと一対一の面談をさせていただきます。
今までに1,000名以上の社員さまとお話してきました。
私はそもそも、社員さんを大切にする企業としかお付き合いしませんので、
ほとんどの社員さんは会社に対して前向きな感情を持っています。
しかし、会社に対しての不満などもお伺いすることがあります。
不満の対象で割合の多い項目ベスト3を挙げると、
■ 休日数(有給休暇を含む)について
■ 労働時間について
■ 給料について
という、労働条件に関する不満が多数を占めます。
そのなかで、今回は「給料」について扱うのですが、
たくさんの社員さん面談をさせていただいて感じることは、
給料への不満は「金額」そのものへの不満ではない
ということです。では、何が原因かというと、大きく2つあると考えています。
給与への不満の原因
まず一つ目は、『嫉妬』という感情です。
給料への不満について深く聴いていくと、
ほとんどの場合、何かと「比較」して不満を持っています。
たとえば、
社内の誰かであったり、
社外の同世代の友人であったり、
ニュースで流れる春闘のベースアップ額・定期昇給額、
大手企業のボーナス額、
など、自分の給与額・賞与額をこれらと比較して、
『自分の給与額は少ない』という漠然とした不満を抱いているのです。
そして、その根っこにある心理は、
自分よりも給料で恵まれている者に対する「嫉妬」です。
嫉妬が原因であれば、比較する対象は無限にあるわけですから、
給料に対する不満が消えることはありません。
給与額が増えたとしても、比較の対象が変わるだけで、
決して満足することはないのです。
給与制度を工夫しても、不満が消えることはありません。
給与に対する不満の原因がもう一つあると考えているのですが、
今回は少々長くなりましたので、次回に述べたいと思います。