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アフターコロナの人事制度に必要な着眼点

  • カテゴリ:企業経営

コロナショックによって、大きく社会が変化するような予感を持たれている方は多いと思います。

 

私もその一人なのですが、最近はアフターコロナの社会において、人事制度がどう変わるのかについて対話することが多くなりました。

 

私は、私自身が望む方向に社会が変化するだろうと考えています。

 

私が望む方向とは、「私の子どもたちがこんな社会で生きていってほしい」という希望なのですが、

 

私が「ノーレイティング型人事制度」という普通の人事制度とはかなり違う仕組みを考え出したのも、そういう社会を実現するためでもありますし、

 

いろいろな人の話を聞く中で、その可能性が広がったように感じるのです。

 

今回から何回になるかは分かりませんが、アフターコロナの社会で、人事制度がどのように変わるのかを探求していきたいと思います。

 

 

働き方に不可逆的な変化が起きた

 

目に見える変化では、リモートワークが普及したことは言うまでもありません。

 

しかし、それは表面に現れた変化であって、もっと大切なのは「意識の変化」だと思います。

 

最近、お話した方々からは、こんなお話を伺いました。

 

「家族と過ごす時間の大切さに気づき、アフターコロナでも家族との時間を優先したい」

「リモートワークによって、毎日の通勤がいかに無駄な時間であったかに気づいた」

「職場というコミュニティが自分の大切な居場所であることに気づき、早く職場に行きたい」

「自分が今の仕事が好きだということに気づき、仕事ができる喜びを再認識した」

「職場に行かないことで心穏やかな日々を暮らせ、収入の問題がなければ仕事に行きたくない」

「今の職場が、本当に自分のやりたいことなのかを考えるようになった」

「仕事があることが当たり前ではなくなり、収入源が一つであることのリスクを感じた」

 

これらはほんの一部の人たちのお話ですが、コロナショックによって似たような経験をした方は多いのではないでしょうか。

 

重要なのは、「経験はなかったことにならない」ということです。

 

コロナショックによって「体験」を通して起こった自分の「人生」と「仕事」についての意識の変化は、元には戻らない不可逆的な変化です。

 

アフターコロナにおける組織運営や人事制度は、働く人の意識に変化が起こったことを前提に考えていく必要があります。

 

 

他のモノでは代替できないニーズが顕在化した

 

働く人の意識の変化は、目に見えるところでは「働き方」に影響を与えます。

 

リモートワークや時短勤務などは典型例ですが、これらのニーズは「潜在的」には存在していたものがたくさんあります。

 

元々は無かったニーズが新たに出て来たのではなく、コロナショックによる経験を通して「顕在化」することになったのです。

 

ニーズが潜在化している、言い換えると「経験したことがない」うちは、それらのニーズを代替するような刺激があればなんとかなりました。

 

たとえば、手厚い福利厚生であったり、金銭的なインセンティブであったり、帰属意識を高めるような施策であったりしたわけです。

 

しかし、アフターコロナの社会では、社員さんが持っている欲求に対して、他の刺激で代替することが困難になります。

 

経験を通して、自分の内面に気づいてしまったからです。

 

「気づいてしまった」と表現しましたが、私は喜ぶべき変化だと思っています。

 

最高の「生きがい」とは、自分の核にある欲求に気づき、それが実現されることによって生まれます。

 

自分の人生にとって何が大切なのかを、一人ひとりが自覚することは、「生きがい」に近づく第一歩だと考えています。

 

 

これらの不可逆的な変化を踏まえて、次回からは組織運営や人事制度のあり方について探求したいと思います。

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