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リスキリング成功の鍵:人材マネジメントの進化

  • カテゴリ:人事関連情報

デジタル化やグローバル化が加速する現代社会において、企業は変化への対応力を高める必要があります。社員さんのスキルアップを支援する「リスキリング」は、そのカギを握ると言われています。

本記事では、人材マネジメントの視点から、リスキリングを成功させるための戦略、成功事例、企業の取り組み、そして個人の成長戦略についての一般的な情報を提供し、最後に生きがいラボ独自の視点も提供したいと思います。

 

リスキリングとは?その意味と必要性を理解する

 

現代社会は、テクノロジーの進化や社会構造の変化によって、常に変化を続けています。企業が生き残っていくためには、変化に柔軟に対応できる人材育成が不可欠です。そこで注目されているのが、社員さんのスキルアップを支援する「リスキリング」です。

リスキリングとは、既存のスキルをアップデートしたり、全く新しいスキルを身につけたりすることで、個人が新たな仕事や役割に適応することを指します。従来の「スキルアップ」という言葉と比べて、より積極的にスキルを再構築し、キャリア転換や新たな価値創造を目的としている点が特徴です。

では、なぜリスキリングが重要なのでしょうか?その理由は、大きく3つ挙げられます。

1. デジタル化・AI化の進展

近年、デジタル化やAI化が急速に進展しており、多くの仕事が自動化される可能性が高まっています。一方で、新たな技術やサービスが生まれて、これまで存在しなかった職種も生まれています。このような変化に対応するためには、社員さんは常に新しいスキルを学び続け、変化に対応する必要があります。

2. グローバル化による競争激化

グローバル化が進展するにつれて、企業を取り巻く競争環境はますます厳しさを増しています。世界中の企業と競争するためには、社員さんは高い専門性や国際的な視点を持ち、多様な文化や言語に対応できる能力を身につける必要があります。

3. 人材不足の深刻化

少子高齢化が進む日本においては、人材不足が深刻化しています。企業は、限られた人的資源を最大限に活用し、高いパフォーマンスを発揮できる人材を育成していく必要があります。そのため、社員さんの潜在能力を引き出し、新たなスキルを習得させるリスキリングが重要な役割を担います。

リスキリングは、企業にとっても社員さんにとっても、大きなメリットをもたらす取り組みです。今後、ますます重要性を増していくと考えられるため、その意味と必要性を正しく理解し、積極的に取り組むことが重要です。

 

リスキリングとリカレント教育の違い

 

リスキリングとよく似た言葉に「リカレント教育」があります。どちらも、学び直しを意味する言葉ですが、両者には明確な違いがあります。ここでは、リスキリングとリカレント教育の違いについて詳しく解説していきます。

1. 対象となるスキル

リスキリングは、「仕事に必要なスキル」を対象とした学び直しです。企業が求める人材育成の観点から、現在の仕事内容や将来的なキャリアパスを考慮し、必要なスキルを習得することを目的としています。一方、リカレント教育は、「個人が学びたいスキル」を対象とした学び直しです。仕事に直結しない趣味や教養、資格取得など、個人の興味関心に基づいた学習を指します。

2. 目的

リスキリングは、「キャリアアップ」や「転職」を目的とした学び直しです。新しいスキルを習得することで、より高度な職務に挑戦したり、新たな分野に転職したりすることを目指します。一方、リカレント教育は、「自己実現」や「スキルアップ」を目的とした学び直しです。新たな知識やスキルを習得することで、個人の能力や知識を深め、生活の質を高めることを目指します。

3. 実施主体

リスキリングは、「企業」が主体的に実施することが多いです。社員さんのスキルアップを支援することで、企業全体の競争力を高め、持続的な成長を目指します。一方、リカレント教育は、「個人」が主体的に実施することが多いです。個人のニーズや目的に合わせて、学び方を自由に選択できます。

このように、リスキリングとリカレント教育は、対象となるスキル、目的、実施主体といった点で明確な違いがあります。どちらも学び直しという点では共通していますが、それぞれの目的や特徴を理解した上で、自分に最適な学び方を検討することが重要です。

 

リスキリングの事例:成功事例から学ぶ

 

リスキリングが、個人のキャリアアップや企業の成長に有効な手段であることは理解できたかと思います。しかし、具体的な事例を知りたい方も多いのではないでしょうか?そこで、本章では、リスキリングによって成功を収めた事例を紹介し、その具体的な内容や効果について詳しく解説していきます。これまでとは異なる分野に挑戦したり、新たなスキルを身につけ、活躍の場を広げたりした人々の成功事例から、リスキリングの可能性を感じ取っていただければ幸いです。

 

リスキリング推進のための企業の取り組み

個人のリスキリングは、個人の成長に繋がるだけでなく、企業にとっても重要な取り組みです。企業は、社員さんの能力向上を支援することで、組織全体の競争力を高め、持続的な成長を実現することができます。ここからは、リスキリングを推進するための企業の取り組みについて、具体的な事例を交えながら解説していきます。

研修制度の充実: オンライン学習プラットフォームの導入や外部研修への参加支援など、社員さんが最新のスキルを習得しやすい環境を提供しています。

キャリアパス設計の支援: 社員さんが将来のキャリアプランを描くことをサポートし、必要なスキル習得のためのロードマップを作成します。

社内異動の促進: 社員さんが異なる職種や部署で経験を積めるよう、積極的に社内異動を推進しています。

スキルアップのためのサポート: 資格取得やスキルアップのための研修受講に対して、金銭面や時間面でのサポートを提供することで、社員さんのモチベーションを高めています。

これらの取り組みは、社員さんの能力向上を促すだけでなく、企業の競争力強化にも大きく貢献します。例えば、社員さんのスキルアップによって、新たな商品やサービスの開発、業務効率の改善、顧客満足度の向上などが期待できます。リスキリングは、企業にとっても個人にとっても、未来を拓くための重要な取り組みです。企業は、積極的にリスキリングを推進することで、社員さんの成長を支援し、組織全体の競争力を高めることができます。そして、社員さんは、リスキリングを通じて、新たな可能性を開き、より充実したキャリアを築くことができます。

 

リスキリング時代の個人の成長戦略

 

企業がリスキリングを推進する一方で、個人が主体的に取り組むことも重要です。変化の激しい時代において、個人の成長戦略は、将来のキャリアを左右する重要な要素となります。本章では、リスキリング時代の個人の成長戦略について、具体的なステップを踏まえて解説していきます。

リスキリング時代の個人の成長戦略は、以下の3つのステップで構成されます。

1. 自己分析と将来像の明確化

まず、自分の強みや弱み、興味や関心、将来のキャリアビジョンを明確にする必要があります。自己分析を行うことで、自分自身の潜在能力や成長ポイントを把握し、具体的な目標設定に繋げることができます。将来像を明確にすることで、目標達成に向けた行動計画を立てやすくなります。

2. 必要なスキルの特定と学習計画の立案

将来像を明確にした上で、目標達成に必要なスキルを洗い出し、学習計画を立案します。最新のテクノロジーや市場の動向を調査し、将来求められるスキルを把握することが重要です。学習方法としては、オンライン学習、書籍、セミナー、資格取得など、様々な選択肢があります。個々の状況に合わせて、最適な学習方法を選択することが大切です。

3. 学習の実践と継続的なスキルアップ

学習計画に基づき、積極的に学習を進めていきましょう。重要なのは、学んだことを実践し、継続的にスキルアップを図ることです。学習成果を可視化し、定期的に振り返りを行い、必要に応じて学習計画を修正していくことが重要です。周囲の人々との交流や情報交換を通じて、新しい知識やスキルを吸収し、成長を促進することも有効です。

リスキリングは、個人の成長を加速させるだけでなく、キャリアの選択肢を広げ、将来の夢を叶えるための強力なツールとなります。積極的にリスキリングに取り組むことで、変化の激しい時代を生き抜き、充実したキャリアを築くことが可能になります。

ここまでは一般的なリスキリングについての情報提供を行ってきました。最後に、人事制度の視点で、生きがいラボの考え方をお伝えしたいと思います。

 

リスキリングを実現する人事制度のあり方とは?

 

一般的な人事制度は、普通に運用すれば年功序列的になってしまう構造を持っています。社員さんの貢献度によって「結果的に」年功序列になるのは問題ありませんが、人事制度の構造によって、貢献度とは合わないかたちで年功序列になるのは望ましくありません。

そして、リスキリングという視点で見ると、処遇面が年功序列的になる人事制度だとリスキリングは進みません。特に、ベテラン社員さんのリスキリングに対する意欲が湧かなくなってしまいます。なぜなら、人事制度が年功序列的だと、ベテラン社員さんは現状維持の傾向が強くなるからです。

一方で、どのようなキャリアを目指すのか、どんな人生にしたいのかはご本人の自由だと私は思っています。

一人ひとりが目指したい方向と組織が向かいたい方向の両者を尊重しながら、パートナーとして進んでいくためには「対話」することが近道だと考えています。私が対話によって給与額が決まるという取り組みをしているのも、個人と組織がパートナーとして進むためであり、対話の副産物としてリスキリングへの意欲も自然発生的に生まれてくるのだと思います。

 

まとめ

 

デジタル化やグローバル化が進む現代社会において、企業は変化への対応力を高めるために、社員さんのスキルアップを支援するリスキリングが不可欠です。本記事では、人材マネジメントの視点から、リスキリングを実現するための戦略、成功事例、企業の取り組み、個人の成長戦略について解説しました。

企業は、研修制度の充実やキャリアパス設計の支援など、社員さんのスキルアップを積極的に支援することで、組織全体の競争力を高めることができます。個人は、自己分析や将来像の明確化、必要なスキルの特定と学習計画の立案、学習の実践と継続的なスキルアップなど、主体的に取り組むことで、変化の激しい時代を生き抜き、充実したキャリアを築くことができます。

生きがいラボでは、対話によって給与額を決める取り組みを行うことで、個人と組織がパートナーとして進むことを目指しています。対話を通して、リスキリングへのニーズや意欲を自然発生的に高め、社員さん一人ひとりが目指したい方向と組織が向かいたい方向の両者を尊重しながら、共に成長していくことを目指しています。

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