従来の人事制度は民主的ではない
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人事制度/人事評価の設計にあたっては、「配分的公平」よりも「手続き的公平」を追求するべきだと、前回にお伝えしました。
※前回の記事「人事制度で追求すべき「手続き的公平」とは?」
手続き的公平を、別の言葉で置き換えるなら「民主的プロセス」ということです。
民主的プロセスというと難しそうですが、簡単にいうと、
「大切なことは、みんなで考えて決めていこう」
ということです。
人事制度を、民主的プロセスの考え方で見直していくと、民主的でない部分がたくさんあります。
人事制度、特に給与制度は、「一人ひとりの給与額を決める」という機能を持っていますが、
給与を決めるプロセスのなかに、「ご本人の希望や意見を聴くプロセス」がないのは、民主的ではないと言わざるを得ません。
多くの人事制度/人事評価では、ご本人の評価欄を設けていますが、それも参考程度ですので、ご本人が給与を決めるプロセスに参加しているとは言えません。
自分の給与の「額」まで、ご本人がしっかりと自分の意思を伝える機会があることが民主的プロセスであり、人事制度/給与制度の手続き的公平と言えると思います。
私が自己申告型給与制度という、社員さんが給与額を自己申告する取り組みを始めたのも、そういう背景があるからです。
ただ、今までお伝えしたことは、すべての企業に当てはまるわけではありません。
ここまでのお話は、前提として、経営者・管理職・社員という役割を超えて、お互いをパートナーとして尊重しあう組織を目指していることを想定しています。
もし経営者さんが、企業のなかで「王」のように君臨したければ、人事制度の手続き的公平を追求する必要はないかと思います。
しかし同時に、社員さんが主体的/自主的に働く組織になっていくことは、あきらめる必要があるかと思います。
この点については、「給与は会社側が決める」という常識が強すぎるので、大きな意識変革が必要なところだと思います。
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