人事制度は「人間の本質」を曲げてはならない
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いつもありがとうございます。生きがいラボの福留です。
一般的に言われる「管理職の役割」について、私が持っている違和感について書いてきましたが、今回からその「核心」について触れていきます。
今まで述べてきた違和感とは、下記の2つです。
1.管理職に多くを求めすぎている
2.外部からの刺激がなければ人は怠けるという人間観に基づいている
今回は2番目の「外部からの刺激がなければ人は怠けるという人間観に基づいている」
について、私の考えを共有したいと思います。
※前回の記事「部下をやる気にさせるのは上司の役割か?」
管理職が必要だと感じる前提
前にも紹介させていただきましたが、ChatGPTに「管理職がいないことで発生する問題は?」と質問すると、以下の回答が返ってきました。
—-下記はChatGPTの回答(不自然な表現は福留が修正)—
管理職がいない場合、以下のような問題が発生する可能性があります。
1.業務の調整が不十分になる:
管理職は、チームメンバー間で業務を調整し、必要に応じて優先順位を決定することができます。管理職がいない場合、チームメンバーが自己判断で業務を処理することになり、予期せぬ優先度の逆転や競合が発生し、業務の調整が不十分になることがあります。
2.コミュニケーションの不足:
管理職は、チームメンバー間のコミュニケーションを促進し、プロジェクトの進捗状況や問題点について相談することができます。管理職がいない場合、コミュニケーションが不足し、メンバー同士の情報共有が不十分になる可能性があります。
3.チームメンバーの指導不足:
管理職は、チームメンバーの指導やアドバイス提供によって、彼らのスキルや知識を向上させることができます。管理職がいない場合、チームメンバーが十分な指導を受けられなくなり、能力や成果に影響を与える可能性があります。
4.決定が遅れる:
管理職は、プロジェクトやチームの決定を迅速に行うことができます。しかし、管理職がいない場合、決定が遅れる可能性があり、プロジェクトの進捗に影響を与えることがあります。
5.チームモラルの低下:
管理職は、チームメンバーのモチベーションを高め、プロジェクトに対する熱意を維持することができます。管理職がいない場合、チームモラルが低下する可能性があ
り、メンバーのパフォーマンスに影響を与えることがあります。
以上のような理由から、管理職はチームやプロジェクトの成功に不可欠な役割を果たしています。
—回答はここまで—
この回答を一見すると、整理されていてとても納得性が高い回答のように見えますし、この回答の方向性は、なにもChatGPTだけの独創的な方法性ではなく、とても一般的に流布している考えだと思います。
しかし、私はこの回答の根底に、次のような前提を感じるのです。
「社員さんは、自分で考えられないし、決められない」
「社員さんは、他者と協力して物事を進められない」
「社員さんは、成長意欲に欠ける」
「社員さんは、放っておいたらやる気が下がる、怠ける」
このような人間観が前提にあるから、「誰か(=管理職)が面倒を見なければならない」という結論が生まれるのです。
私は、この「人間観」に大きな違和感を覚えるのです。
人間の本質とは何か?
私は人事制度のことを考え続けてきました。
そして、従来から存在している人事制度に違和感を覚え、生きがいラボを立ち上げて新しい人事制度のあり方を探求しています。
その根底にある問いは、「人間の本質とは何か?」というものです。
人事制度が、人間の本質を曲げてしまうものであるならば、それは私がやりたいことではありません。
私が考える人間の本質とは、「自分で決めたい」「成長したい」「人の役に立ちたい」という欲求です。
これらの欲求が満たされた時に「生きがい」が生まれるのだと思っています。
一方では、私が考える人間の本質について、いろいろな見方があると思います。
たしかに、「自分で決めたくない」「成長に興味がない」「自分さえよければよい」という人もいます。
それでも、私は人間の本質は「自分で決めたい」「成長したい」「人の役に立ちたい」という欲求だと思っているので、次回もこのことに書きたいと思います。
※この記事のつづき「マネジメントの新しい方向性とは?」
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