本当に社員さんが自発性を発揮できる人事制度とは?
- カテゴリ:自己申告型給与制度
いつもありがとうございます。生きがいラボの福留です。
自己申告型給与制度が、社員さんの生きがいにつながると私は確信しているのですが、今回はそのことについてシェアしたいと思います。
前回の記事
「管理を強化しながら自発性を伸ばすことはできるのか?」
前回もお伝えしましたが、組織運営の方向性をざっくりと分けると、、、
① 社員さんへの「管理」を強化する方向性
② 社員さんの「自発性」を伸ばす方向性
の2つになります。
従来型の人事制度、つまり人事評価によって上司が部下に点数をつけ、その点数に応じた給与テーブルによって昇給額が決定されるという人事制度は、前者の管理強化の方向性になります。
人は他者から管理されると、仕事に対する情熱がなくなり、創意工夫をすることもなくなりますからパフォーマンスも落ちます。
また点数をつけなければなりませんから、上司と部下が行う人事評価面談では、過去の実績に意識が向きます。
本来であれば、過去のことをしっかりと内省したうえで、上司と部下が未来のことを探求するのにしっかりと時間をとった方が建設的なのですが、従来型の人事制度ではそれが難しいのです。
そういう弊害をなるべく少なくしようと、従来型の人事制度の「構造」はそのままで、いろいろな工夫をしてきたのが人事制度の歴史ですが、やはり構造が変わっていないので、根本的な解決にはなっていません。
人事制度を、社員さんの「自発性」を伸ばす方向性で「根本」から見直すならば、
① これからどんな仕事をしたいのか?(どんな成果をつくるのか?)
② どんな働き方をしていきたいのか?
③ 自分はどれくらいの給与がほしいのか?
ということについて、社員さんが自分の意見を言える構造にするべきです。
多くの従来型の人事制度でも、目標は自己申告をすることが多いですが、「目標は自分で決めるけど給与については意見が言えない」という構造です。
それは、社員さんを「管理する対象」とみなす価値観から生まれている構造です。
社員さんを「管理する対象」だとみなしているから、「ここまでは意見が言ってもいいけど、これ以上は意見を言ってはいけない」というように、
権利を制限するような構造になってしまうのです。
もしくは、そういう価値観を持っていなくても、言い換えれば、社員さんを管理する対象だとみなしていなくても、
従来型の人事制度のような構造によって組織を運営すると、社員さんにとっては「自分たちを管理する対象だとみなしている」と映ってしまいます。
制度というのは、それ自体がメッセージを発信するので、「どんな組織にしていきたいか」という目指している方向性に沿った制度にしなければ、逆効果になってしまいます。
社員さんを大切なパートナーだと考えているのなら、どんなことであってもご本人に関わることであれば、自分の意見を言える環境にすることが大切です。
そして人は、誰かに管理されて生きるより、自分の意思で決めて生きた方が生きがいを感じられます。
社会のなかで他者と一緒に生きている以上、自分の思い通りにならないこともあるのは当然ですが、
自分の意思を大切にしつつ、他者と共に生きていくことができれば、生きがいにあふれる人生を歩めるはずです。
自己申告型給与制度は、そういう考え方を給与決定に当てはめたということになります。
とはいえ、自己申告型給与制度にも乗り越えなければならない課題がありますが、それは次の記事で共有したいと思います。
この記事の続き
「「給与を自分で決めるなんて出来ない」という声にどう向き合うか?」
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