人事制度で追求すべき「手続き的公平」とは?
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人事制度/人事評価の「公平性」には2種類あると、前回にお伝えしました。
※前回の記事「人事制度の公平性には2種類ある」
人事制度がこれまで追い求めてきたのは「配分的公平」でした。
給与や登用という人事処遇の「結果」の公平性を高めることが、従来型の人事制度の設計コンセプトでした。
だから、人事処遇の元になる人事評価の「点数づけ」を、より公平感を高めるための努力をしてきました。
古くは「職能(職務遂行能力)」によって評価する時代があり、その時代によって、「コンピテンシー」や「職務」「役割」「責任」「成果」などの評価基準が注目されました。
また、上司一人が評価するのが問題だとして、「360度評価」という考え方も生まれました。
しかし、これらの取り組みによって「配分的公平」を高めようとしても、すべての人が「公平」だと感じる処遇はありえません。
加えて、制度が複雑になるというデメリットも生まれます。
そこで私が考えるのは、人事制度の設計においては、「配分的公平」ではなく「手続き的公平」を追い求めた方がよいということです。
人事制度の手続き的公平とは、処遇が決定する「意思決定プロセス」をより公平にしようという考え方です。
人事制度の意思決定プロセスを公平にしようと考えた時に、最大の焦点になるのが
「処遇に対して、ご本人が自分の希望や意見を言える場があること」
ということです。
「本人が意見を言えるなんて当たり前だ」と感じるかもしれませんが、人事制度においては、この当たり前のことができていないのです。
次回は、従来型の人事制度の意思決定プロセスが、いかに手続き的公平さを欠いているかについて書きたいと思います。
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