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目標管理制度が抱えるジレンマ

  • カテゴリ:ノーレイティング(No Rating)

いつもありがとうございます。生きがいラボの福留です。

会社は何かしらの方法で、社員さんのお給料を決めなければなりません。

その役割を人事制度が担っているわけですが、お給料というのは社員さんの関心も高く、またいろいろな感情が湧いてくるテーマですから、この役割を担っていることが人事制度を難しいものにしています。

人事制度は、誰もが納得できるような給料額を決める方法はないかと、長年にわたって試行錯誤してきました。

その試行錯誤の前提となる方向性は、「納得性の高い人事評価」を根拠に給与額を決定すれば、「納得性の高い給与額」になるだろうという「仮説」です。

そして納得性の高い人事評価を行うためには、「客観的に測定できる数値」の方がいいだろうという仮説に至りました。

そういう背景によって、人事評価の一環として目標管理を活用してきたわけです。

今回も、目標管理を使って人事評価の「点数」をつけることで、目標設定でどういうデメリットがあるのかをお伝えしたいと思います。

 

目標が同じでなければならないジレンマ

 

目標管理を人事評価で使うことで、目標設定の場面では下記の3つのデメリットがあり、これまで1番目と2番目は解説してきました。

1.期首に立てた目標を期中に変えられない
2.余裕をもって達成できるような低いレベルの目標になる
3.同じ職種で同じ等級の目標が画一的になる

今回は3番目をお伝えします。

結論から言うと、目標管理を人事評価で使うと、目標が画一的になります。

喩えて言うなら、陸上競技で順位を決めようとしたときに、ある人は100mを走って、ある人は走り幅跳び、ある人は棒高跳びだったとしたら、順位など決められないでしょう。

それと同じように、同じ職種で同じ等級の社員さんがいたならば、ある程度は同じ項目とレベルで目標設定をしないと、その目標の達成率で点数をつけたとしても、それが意味のある情報にはなりません。

このことは、人事評価という視点では理に適っているようにも見えるのですが、社員さんの心理面を考慮するとデメリットが大きいです。

なぜなら、社員さんからすると、「何をするか」が既に決められているということです。

そのような状況で、社員さんに自発性積極性を期待すること自体が無理というものです。

ただし、人事担当者から見ても、目標が画一的になっていることは望ましいとは映っていないでしょう。

しかし、目標の達成率で点数をつけるという構造になっていると、目標がバラバラでは評価のしようがなく、仕方なく画一的にせざるを得ないのです。

このように、人事評価で点数をつけるという構造は、社員さんにとっても、人事制度の設計側にとっても、ジレンマを生んでしまうのです。

 

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