アメとムチによる人事制度のデメリット
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前回の記事の続きです。
※前回の記事「マネジメントという「アメとムチ」」
管理/統制を強化する方法をとってしまう理由として、
1.理にかなっているという思い込みがある
2.即効性を期待できる
3.自発性を前提にした方法がうまくいくと思えない
という私の考えをお伝えし、前回は1番目の理由について解説しました。
今回は、2番目について私の考えを書きたいと思います。
人事制度やマネジメントに限らず、人が他者を「すぐに」自分の思い通りに動かしたいときに、「アメとムチ」が使われがちです。
アメとは「ご褒美」のことで、人事制度でいうと「高い評価」やそれに伴う「昇給」「昇格」「インセンティブ」などがあり、
人事制度以外でもさまざまな金銭的・物的なご褒美や賞賛(=手段としての賞賛)が使われています。
ムチとは「罰」のことで、人事制度では「低い評価」「減給」「降格」などであり、
人事制度以外では、叱責・恫喝の言葉や罰金などがあります。
これらの「アメとムチ」は、人の感情を大きく左右することが多いので、何かしらの反応が起こりやすいのです。
だから、即効性があると感じてしまいます。
人事制度でも、過去に成果主義が流行ったときがありましたが、導入してしばらくは効果が出たように見えます。
しかし結局は、ご本人の意思とは違う行動をさせることが多いので、長続きしません。
加えて、アメとムチの施策の怖いところは「依存性」があることです。
効果が切れたら、もっと強烈なアメとムチが必要になり、そして効果が続く期間はだんだんと短くなっていきます。
やはり、ご本人が「やろう」と決めていないことを、無理やりにやらせるのは不可能です。
そこで、一人ひとりの「自発性」が大切ということになるのですが、このような施策を疑問の目で見る人もおられます。
次回は、その点について私の意見を書きたいと思います。
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