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人事評価はいらないのか?

  • カテゴリ:人材育成/人材開発

■人事評価の難しさ

 

人事制度の運用サポートをさせていただくときに、

管理職の皆さんに部下評価についての研修を行うことがあります。

 

そのときにいつも感じるのが、「人が人を評価することの難しさ」です。

 

上司といえども一人の人間です。

 

人の好き嫌いもあれば、仕事のなかで得意分野・苦手な分野もあります。

 

そもそも、「主観ではなく完全に客観的な評価をしろ!」と言う方が

無理な話だと思います。

 

では、評価などしなくて良いのかというと、それは違います。

 

人事評価は必要です。

 

大切なのは、「何のために評価するのか?」です。

 

 

■成長のために評価をする

 

もし、人事評価を「査定」、つまり給与を決めるためだけに行うのであれば、

やらない方がマシです。

 

上司もつらいだけですし、社員さんの不満を生み、モチベーションが下がります。

誰しも、自分の価値を査定されることを好む人はいませんし、

 

ましてや、それによってモチベーションが上がることはありません。

 

私が、評価制度と給与制度を連動させないように提唱するのは、

このような人間の心理があるからです。

 

評価結果が給与と連動すると、評価結果を素直に反省しなくなり、

これからの成長の糧にしようという意識が働かなくなるのです。

 

では、何のために評価をするのか?目的は2つです。

 

 

1つは、部下の成長のためです。

 

部下の「現状」と、上司(会社)からの「期待レベル」との「ギャップ(成長課題)」を

示すことで成長を促すのです。

 

上司が愛情を持って、部下の成長のために評価すれば、

それがたとえ主観的であろうとも、部下は素直に受け入れるのです。

 

 

もう1つは、上司自身の成長のためです。

人を評価するということは、前述した通り、とても難しいことです。

 

しかし、好き嫌いや得手不得手、「嫌われたくない」という感情を乗り越え、

部下の成長を願い、愛情を持って評価するという行為によって、

上司自身が人間的に成長できます。

 

最近は、No Rating(ノーレイティング)の流行によって、

「人事評価はいらない」という主張も見受けられますが、

 

実際には、No Rating(ノーレイティング)を行っている米国企業も、

点数づけや評価結果の調整を行っていないだけで、

 

成長を促進するために上司からの部下評価は行われています。

 

なぜなら、人間が成長するためのは、他者からのフィードバックが必要不可欠だからです。

 

ごく一部分をデフォルメしたような情報には、流されないようにしたいものです。

 

話を戻しますと、多くの会社では人事評価を間違った目的で行なっているので、

人事評価面談が退屈な時間になってしまっています。

 

人事評価は、上司自身と部下の成長のため「だけ」に行うべきです。

 

そして、何度も言うようですが、成長のためだけに人事評価を行うには、

評価と給与を分離」する必要があるのです。

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