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従来型の人事制度は「仕事の本質」を見失わせる

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いつもありがとうございます。生きがいラボの福留です。

これまで従来型の人事制度として次の5つの問題をご紹介しています。

① 働く喜びを奪う
② 自律心を阻害する
③ 成長意欲を減退させる
④ 社会貢献に目が向かなくなる
⑤ 複雑すぎて運用が難しい

今回は、4つ目の「社会貢献への意欲」と5つ目の「制度の複雑化」について説明していきます。

 

金銭的報酬は強烈な力を持っている

 

仕事の喜びの大きな要素として、「人の役に立つ実感」があります。

自分の仕事によってお客さまや仲間から「ありがとう」と感謝されることは、仕事の醍醐味と言ってもいいでしょう。

しかし従来型人事制度によって、「人の役に立ちたい」という意欲が阻害されます。

あまり良い表現ではありませんが、鼻先にニンジン(=金銭的報酬)をぶら下げると、そればかりに意識が向いてしまうのです。

経営者や人事担当者に、金銭的報酬で社員さんを釣ろうというような意図がなかったとしても、自分の給与額に関心が集中し、企業側(上司)からの評価ばかりを気にするようになります。

つまり、意識が内向きになるのです。

そうなると、社会に貢献するどころか、極端なケースでは社会のルールを破ってでも自分の評価を高くしようとする人も出てきます。

お金の力はそれほど強烈なのです。

また、これは社員さんだけの話ではありません。

経営者さん、特に上場している企業の経営者さんは、株価を高めるために社会貢献を軽視してしまう人もいらっしゃいます。

建前ではきれいなことを言いながら、社員さんの尊厳を軽視し、下請企業に無理な要求を行い、株価を高めることばかりを考えています。

あるいは、業績を伸ばすためならば、社員さんの尊厳を傷つけるような言動をしたり、社員さんをモノと同じように考える経営者さんもいらっしゃいます。

経営者さんの意識がそうだと、人事制度もそのような運用になりますから、そのよう
な組織で「お客さまのために頑張ろう」というような意識で働くことは不可能です。

 

運用できないほど複雑になる

 

ここまでは、従来型人事制度の問題である「働く喜びを奪う」「自律心を阻害する」「成長意欲を減退させる」「社会貢献に目が向かなくなる」について、人間のモチベーションという視点から見てきました。

次は、運用面から従来型人事制度の問題を見ていきたいと思います。

私はこれまでに、多くの企業から人事制度についてのご相談をいただいてきましたが、そのなかで最も多いケースが、「制度を作ったが十分に運用できていない」というものです。

運用できていない理由を見てみると、「複雑すぎる」ということが原因のケースがかなりありました。

当然ながら、複雑な制度になればなるほど、運用には手間がかかります。

しかし企業経営は、人事制度を運用するだけではうまくいきません。

人材採用や人材教育、労務管理、メンタルヘルスなどの人事分野だけではなく、マーケティングや新商品・新サービスの開発などの長期的活動から、クレーム対応などの日々のオペレーションまで含めると、多岐にわたるタスクが同時進行しているのが企業活動です。

私が顧客としている中小企業・ベンチャー企業においては、はっきり言うと、人事制度の運用に掛かりっきりになっている人員をつくる余裕などありません。

人事専任者がいない状況のなかでは、複雑な人事制度が運用されないのは当然の結果です。

人事制度が複雑になってしまうのは理由があるのですが、それは次にお伝えしたいと思います。

 

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