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経済の停滞が従来型人事制度の問題を露呈した

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いつもありがとうございます。生きがいラボの福留です。

自己申告型給与制度は、一般的な人事制度とはかなり異なる取り組みですが、なんとなくの思いつきで始めたわけではありません。

私なりにミライの社会を見据えたときに、必要となる人事制度だという考えがあります。

これから何回かにわたって、働き方や組織運営に影響を与える社会の変化について扱いたいと思います。

もう既に当たり前の議論になっていることなのですが、自己申告型給与制度を始めるに至った背景になりますので、少し解説したいと思います。

 

人事制度の未来像に影響を与える5つの社会変化

 

私たちの社会が抱える問題はより難易度を増し、ものすごい速度で変化しています。

当然ながら、社会の変化は未来の働き方にも影響を与えます。

ここでは次の5つの社会変化によって、未来の働き方がどのような影響を受けるのかを考えていきたいと思います。

① 経済の停滞
② 少子高齢化と長寿化
③ テクノロジーの進歩
④ グローバル経済の進展
⑤ 環境・エネルギー問題の深刻化

 

経済の停滞で金銭的報酬の限界を露呈する

 

日本経済の停滞を望んでいるわけではありませんが、人口が減少することで消費者も労働力人口も減少することを考えると、日本がこの先に高い経済成長を遂げることは、なかなか考えづらい状況です。

このままの低成長あるいはマイナス成長が続くと考えた方が、現実味があります。

長引く経済の停滞は、既に私たちの働き方に影響を与えています。

それは、

いくら頑張っても、報酬面で報われる可能性が低い

という現実です。

人事制度は、バブル崩壊後に大流行した「成果主義人事制度」を筆頭に、「コンピテンシー制度」「役割給制度」「職務給制度」「ミッショングレード制度」などのように、手を変え品を変えつつ、社員さんのモチベーション向上を目指して工夫を凝らしてきました。

しかし私は、どのような方法をとっても、従来型の人事制度はその目的は果たせないと思っています。

その原因の1つは、給与原資を増し続けられる経済環境ではないことです。

だから、誰かの給与を増やそうとすれば、誰かの給与を減らさなければならない構造にあり、

さらに皮肉なことに、ハイ・パフォーマー(高業績者)のために導入した成果主義人事制度によって、逆にハイ・パフォーマーが疲弊しきってしまうという会社もたくさん見てきました。

『現在の給与を維持するためには高業績を維持しなければならない』というプレッシャーが、ハイ・パフォーマーを襲ったのです。

また同僚からは、「高い給料をもらっているのだからそれぐらいやるのが当たり前だ」という冷たい視線が、ハイ・パフォーマーに向けられ、精神的にも追い込まれている人もおられました。

10年ほど前に私のところに相談に来られる企業の多くは、成果主義人事制度の導入によって、社員さんの人間関係が崩壊し、退職者が後を絶たないという企業が多数ありました。

給与原資を増やし続けることができた経済環境下では、金銭的報酬によってモチベーションを高めようとする人事施策でも、金銭的報酬の弊害は顕在化しませんでした。

しかし、今は状況がまったく違います。

現在は、社会全体が「賃上げ」を要請するムードにありますので、大企業を中心にベースアップを行う企業が増えていますが、企業の付加価値が高まらなければ、どこかにシワ寄せがいくのです。

金銭的報酬の本質的な弊害については以前に書きましたのでここでは触れませんが、現実的にすべての社員さんの給与を永遠に増やし続けることは困難であり、金銭的報酬をインセンティブとする人事施策を持続することは不可能に近いと思います。

では「どうしたらいいのか?」ということについては、5つの社会変化について述べた後に触れたいと思います。

 

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