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給与決定の未来像とは?

  • カテゴリ:自己申告型給与制度

いつもありがとうございます。生きがいラボの福留です。

次の9つの経営環境の変化が、人事制度の未来像にどのような影響を与えるのかを解説しています。

① 金銭的報酬によるインセンティブが困難になる
② 職業人生が長期化する
③ 不安を抱える若年層が増える
④ 仕事とプライベートの境界がなくなる
⑤ 企業の内部と外部の境界がなくなる
⑥ 高度な専門技能と、専門分野以外での人的ネットワークが必要となる
⑦ 権力によるリーダーシップが成果を生まなくなる
⑧ 多様性を積極的に受容する必要性が高まる
⑨ 短期的な利益よりも社会貢献や持続可能性を重視する傾向が強まる

今回は「給与制度」がどう変わるのかを述べていきます。

 

人事評価の点数がないと給与をどう決めるのか?

 

前回まで、等級制度と給与テーブルをなくし、人事評価で点数をつけないということをお伝えしてきました。

そこで疑問が出るのは、「給与をどうやって決めるのか」だと思います。

まずは一般的な「ノーレイティング」ではどうしているのかを解説したいと思います。

ノーレイティングは、欧米を中心に導入が進んできた人事制度ですが、簡単にいうと人事評価で点数をつけない制度です。

一般的に普及しているノーレイティングでは、給与は直属の上司の裁量で決まることになります。

上司に示された人件費予算や昇給予算に応じて、その上司が自分の裁量で部下の給与を決めていくことになります。

これだけを書くと、上司の独断で給与を決められるイメージになってしまいますが、人事評価で点数をつけるという業務がなくなりますから、

それに費やされていた時間を部下としっかり関わる時間に変えることで、上司が判断する給与額に対して、部下の納得性が高まるというねらいです。

 

未来の給与決定のありかた

 

人事評価で点数をつけず、上司がより部下と関わることで給与決定の裁量を持つノーレイティングは、人事制度の大きな進歩だと思います。

しかし、大きな進歩ではありますが、根底にある構造そのものは変わっていません。

どういう構造かというと、「他者に給与を決められる」という構造です。

一般的に、組織に所属している場合は「給与は自分で決められない」というのは当たり前になっているかと思いますが、

給与を自分で決められない」というのは、ものすごく「不公平」だと私は感じます。

給与という社員さんの人生に大きく関わる分野で、「自分で決められない」ような「不公平な構造」を保ったままで、「エンゲージメント」が高まったり「パーパス」に共感したりするのを期待するのは、無理があると思います。

会社と社員さんが対等なパートナーになったときに、本当の意味でエンゲージメントが高まったりパーパスに共感するということが、「自然と」起こってくるのだと思います。

未来の給与決定は、社員さんと会社が対等なパートナーとして対話して決まるという構造になっていくと思います。

 

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