給与を自己申告にする理由
- カテゴリ:自己申告型給与制度
人間のどの部分に焦点を当てるのか?
当社の「ノーレイティング型人事制度」では、
給与を自己申告してもらう制度をお勧めしています。
そのことを伝えると、
多くの経営者さん・人事担当者さんは驚かれるのです。
「給与を自己申告なんかにしたら、
ものすごく高い給与を申告してくる人がたくさん出てきて、
人件費が高騰してしまうんじゃないですか?」
と心配されるのですが、
私の経験上、そんな人はほとんど出てきません。
多くの人は、ご自分の貢献に見合った給与額を申告されます。
やはり人は、自分で決めることには責任を持ちたいのだと
思います。
制度を設計するときに大切なことは、
「人間の可能性に焦点を当てる」ということだと思います。
人間の内面は、性善説か性悪説の二者択一で割り切れるほど、
単純なものではありません。
「自分で決めたい」「成長したい」「人の役に立ちたい」
という人間の素晴らしい部分も、
「人のせいにしたい」「変化がこわい」「自分さえよければよい」
という弱い部分も、人間のなかにはあります。
制度を曲解するかもしれない一部の人を意識して、
人間の可能性を制限するのはもったいないことです。
「人は自分で決めたら責任をもってやり遂げる」という前提で
制度を設計することが大切だと思います。
これが、自分で給与を申告する制度を私が勧めている
大きな理由の一つです。
自分で決められないから不満を抱く
給与というのは、社員さんにとっては生活がかかっていますから、
とても大切なテーマです。
しかし、大切なテーマの給与については、
社員さんが自分で決められないことが多く、
だからこそいろいろと不満に感じることが出てきます。
給与に関しての不満を根本的に解決しようと思うと、
「自分で決めてもらうしかない」というのが私の考えです。
人間は、自分で決めたことには責任感が湧くものです。
自分で決めてもらうことを前提として、
ノーレイティング型人事制度ではもう一つ工夫をしています。
それについては、次回に書きたいと思います。