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人事制度の未来像を決める社会の変化とは?

  • カテゴリ:企業経営

いつもありがとうございます。生きがいラボの福留です。

次の5つの社会変化によって、未来の働き方がどのような影響を受けるかについて、数回にわたって考えています。

① 経済の停滞
② 少子高齢化と長寿化
③ テクノロジーの進歩
④ グローバル経済の進展
⑤ 環境・エネルギー問題の深刻化

今回は、5つ目の「環境・エネルギー問題の深刻化」について、改めて考えたいと思います。

 

未来の組織運営では環境・エネルギー問題は無視できない

 

テクノロジーの進歩は、私たちにとてつもなく深刻な問題を突き付けています。

社会の持続可能性の問題です。

最近は、社会全体としてSDGsへの関心も高まっていますが、環境エネルギー食糧の問題などの持続可能性を身近な課題だと捉える人が増えている表れかと思います。

私には2人の息子がいますが、彼らが生きていく未来のことを考えると、環境破壊やエネルギー資源枯渇の問題を、私たちの世代で解決したいと考えていますし、そういう気持ちを持つ人は多いのではないでしょうか。

その一方で、私もその一人ですが、未来のことなので現実感がなく、日々の意思決定基準に組み込まれている人は少ないように感じます。

もしくは、「自分にできることなどない」と迫りくる問題の大きさにあきらめに似た感覚を持っている人も多いでしょう。

しかし、一人の個人や1つの企業が解決できる問題ではありませんので、社会全体として解決していく必要があります。

 

環境・エネルギー問題の解決が進まない理由

 

環境・エネルギー問題が解決の糸口をつかめなかったのは、短期的な利益とトレードオフになることが1つの理由です。

金融資本主義、あるいは株主資本主義においては、長期的な社会への貢献よりも、自社の短期的な利益が優先される傾向にありました。

したがって、環境やエネルギーの問題を解決したいと願っている個人がいたとしても、企業や国家という単位になると、その解決とは逆の行動をとってきました。

しかし多くの人は、企業や国家の利益至上主義に辟易し始めていて、その潮流はESG投資やエシカル消費、フェアトレードなどの形でますます大きくなっています。

この潮流が進展していくうえで、情報通信技術の進歩は大事な要素です。

インターネットの普及によって、情報が一気に拡散できるようになり、インターネットにアクセスすることができれば、大量の情報を入手できるようになりましたし、個人が情報を発信できるようにもなりました。

インターネット上の情報には紛い物も多いので、真偽が疑わしい大量の情報が洪水のように氾濫していますが...。

しかし、情報量という意味では、これまでの社会変革と比較すると、まったく違う状況にあります。

たとえば日本で起きた明治維新は、一夜にして政権主体が入れ替わった歴史的革命と言えますが、革命に関わったのは武士階級のなかでも一部の者だけでした。

その他のほとんどの日本人は、蚊帳の外でした。

なぜなら、情報を握っていたのが武士階級のごく一部だけだったからです。

今は事情が違ってきています。

企業が隠そうとしても情報は漏れていきますし、その情報が一気に世界中に拡がっていきます。

このことがもたらす可能性としては、短期的利益ばかりを追求する企業が存続できない社会が生まれるかもしれないということです。

言い換えると、本音と建前の使い分けができない環境になるということです。

このことはあくまでも可能性の話ですが、実際の社会は、異なるイデオロギーの間を振り子のように行きつ戻りつを繰り返しながら、ある方向に進んでいくものです。

しかし、環境・エネルギー問題が逃れられない問題である以上、私たち一人ひとりが、問題にどう立ち向かっていくかを真剣に考えなければならず、その問題意識をインターネットが拡げていく可能性があると思います。

 

社会変化による働き方の変化

 

ここまで数回にわたり、未来の社会がどのようになるかを考えてきました。

ここまで数回でお伝えしたことをまとめると、今回取り上げた社会変化によって、未来の働き方を取り巻く環境は次のように変わっていくと思います。

① 金銭的報酬によるインセンティブが困難になる
② 職業人生が長期化する
③ 不安を抱える若年層が増える
④ 仕事とプライベートの境界がなくなる
⑤ 企業の内部と外部の境界がなくなる
⑥ 高度な専門技能と、専門分野以外での人的ネットワークが必要となる
⑦ 権力によるリーダーシップが成果を生まなくなる
⑧ 多様性を積極的に受容する必要性が高まる
⑨ 短期的な利益よりも社会貢献や持続可能性を重視する傾向が強まる

これらについては、既に起こっていることが多いですが、今の社会の状況から見ると、循環的な変化ではなく不可逆的な変化に見えます。

不可逆的とは、元に戻らないということです。

これらの働き方の変化をふまえて、次回からは人事制度の未来像を探求していきたいと思います。

 

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