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人事制度の定説「終身雇用と年功序列は時代遅れ」は本当でしょうか?

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いつもありがとうございます。生きがいラボの福留です。

「人的資本」や「ジョブ型」などのキーワードが、人事関連のトレンドとして注目されています。

その一方で、「終身雇用」や「年功序列」に代表される日本的経営や、あるいは日本的経営を否定する考え方として導入された「成果主義」などは、

もはや「時代遅れ」だということが定説になっているかと思います。

経営手法においては、ある手法がうまくいかなくなると別の手法が注目され、前の手法が「害悪」であるかのように喧伝されて、「〇〇は時代遅れ」というステレオタイプの認識が広がっていく傾向があります。

私も、時代の変化とともに従来の手法が「機能しなくなることが多い」という感覚はありますが、新しい手法を特効薬のようにもてはやすことにも違和感があります。

今回は「終身雇用」と「年功序列」という、時代遅れの代名詞になっている手法について、考えてみたいと思います。

 

日本的経営の特徴

 

日本的経営の特徴として「メンバーシップ型雇用」があり、それを実現させていた三本柱として「終身雇用」「年功序列」「企業内労働組合」が挙げられます。

日本的経営を簡単に表現すると、高い経済成長率を背景に、一つの企業に長く勤める方がメリットの大きい人事施策(=終身雇用×年功序列)によって、企業独自の競争力を構築することを目指した経営です。

実際に、経済成長率が高い時代では有効に機能しました。

しかし、高い経済成長率の時代が終わると、日本的経営が有効に機能しなくなり、成果主義などの考え方が日本的経営を否定するカタチで登場しました。

そして、成果主義を導入した企業がその運用に軒並み失敗したことで、「成果主義は日本には合わない」という認識が広がり、現在は「ジョブ型雇用」や「人的資本」などがトレンドになっています。

 

終身雇用や年功序列は時代遅れなのか?

 

今日の主題に話を進めますが、結論とすれば、時代遅れとかそういう次元の話ではなく、それぞれの組織が目指している方向性に基づいて、終身雇用や年功序列を「選択」するならば、それは素晴らしい選択なのだと思っています。

なぜなら、終身雇用や年功序列にも一定の合理性があるからです。

いつ解雇になるかも分からない会社で働くのは、やはり不安が大きくて自分らしく働けないでしょうし、よい仕事もできないでしょう。

その一方で、ルールを守って真面目に働いていれば、いつまでも働けるという会社であれば、安心して自分の能力を発揮できるはずです。

これが終身雇用のメリットだと思います。

また、会社のなかで自分の能力を高めることができる環境が整っていて、その結果として先輩社員の方が後輩社員よりも知識やスキルが高く、それに伴って給与額も先輩社員の方が高いという状態であれば、年功序列もデメリットとしては機能しません。

そして、そのことは終身雇用との良い相乗効果を生みます。

これらのことが、終身雇用や年功序列が持っている合理性です。

かつての日本企業における終身雇用と年功序列が機能しなくなったのは、何が何でも年功序列になるように「制度化」してしまったことです。

加えて、解雇権濫用法理によって、会社側に終身雇用が強制されてしまったことも理由として挙げられます。

つまりは、終身雇用や年功序列という考え方に問題があったというよりは、それを運用するための技術面(=制度)に問題があったということです。

ここまで理解したうえで終身雇用や年功序列は「自社の目指す方向性ではない」と考えるのか、あるいは「終身雇用や年功序列は時代遅れだ」と言われているから何となく否定するのかでは、大きな違いがあると思います。

後者のように、何となく流行りの経営手法に飛びついたのでは、何をやってもうまく行かないように感じます。

特に、人事制度は人に関する取り組みですから、流行りの経営手法に飛びつくのではなく、人間の本質に立脚するべきだと思っています。

当然ながら、私が取り組んでいる自己申告型給与制度は、人間の本質に立脚していると考えています。

 

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