生き方の選択肢が増えた時代に必要な人事制度とは?
- カテゴリ:企業経営
いつもありがとうございます。生きがいラボの福留です。
社員さんを囲い込もうという意図で設計されている、言い換えると、所属している期間の長さによって恩恵を受けるようになっている等級制度・給与テーブル・退職金の従来型の仕組み、あるいは勤続給などの属人的な給与などは、
これからの時代では弊害が多いことを前回にお伝えしました。
今回は、その理由をもう少し深く見ていきたいと思います。
※前回の記事「人事制度を時代の変化にマッチさせるには?」
見える選択肢が広がった
人事制度の未来像に影響を与える経営環境の変化として、次の9つの変化について考えてきました。
① 金銭的報酬によるインセンティブが困難になる
② 職業人生が長期化する
③ 不安を抱える若年層が増える
④ 仕事とプライベートの境界がなくなる
⑤ 企業の内部と外部の境界がなくなる
⑥ 高度な専門技能と、専門分野以外での人的ネットワークが必要となる
⑦ 権力によるリーダーシップが成果を生まなくなる
⑧ 多様性を積極的に受容する必要性が高まる
⑨ 短期的な利益よりも社会貢献や持続可能性を重視する傾向が強まる
社員さんを囲い込む人事制度が弊害になるのは、4番目や5番目の社会変化の影響になります。
これらの変化は、社員さんから見える景色でいうと、意識できる「生き方の選択肢」が増えたということです。
以前は、副業を禁止している会社が多かったり、起業のハードルが今よりも高かったり、働き方の選択肢もあまり整備させていない社会環境だったと思いますが、
今では生き方の選択肢が増えて、それがSNSなどを通して社会に一般化されています。
私はこの変化を素晴らしいことだと感じていて、生き方をより主体的に選んでいける環境になってきているということです。
当然ですが、まだ変化の過渡期だと思いますので、選択肢が見えていても実際に選べるかというと、それは別の問題があるのですが、「選択肢がある」という認知が広がることはプラスの変化だと思います。
「生き方の選択肢が増えている」という社会変化のなかで、その選択を阻害するような施策を会社が採ったならば、社員さんから見ると会社の「エゴ」のように映ります。
この点は、人事制度の設計において、設計側が意識変革を求められるところだと思います。
企業という境界線を超える選択を含めて、多様な意思決定を社員さんが採るという前提に立って、人事制度を設計しなければならないのはこのためです。
※この記事のつづき「上司が持つ「評価権」を手放すことで人事制度が生まれ変わる」
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