「No Rating(ノーレイティング)」に対する誤解
- カテゴリ:ノーレイティング(No Rating)
明けましておめでとうございます。生きがいラボの福留です。
旧年中は大変お世話になりまして、誠にありがとうございました。
今年も、どうぞよろしくお願い申し上げます。
前回に「No Rating(ノーレイティング)」について書いてから、
かなりの日数が経ってしまいました。
No Rating(ノーレイティング)の概要や目的、生まれた背景については
これまで書いてきましたので、
今回は、No Rating(ノーレイティング)にまつわる誤解について書きたいと思います。
2015年ごろからNo Rating(ノーレイティング)が人事の世界で話題となるにつれ、
お陰様で当社にお問い合わせをいただくことが多くなりました。
社員さまに点数をつけず、
給与を評価によって決定しないという独自の人事制度を2010年から提唱し、
その構築支援を行っていますが、
No Rating(ノーレイティング)については、
事実と違った情報や誤った認識が生じていると感じています。
No Rating(ノーレイティング)についての誤解としては、
下記の3つが代表的なものとして挙げられるかと思います。
① No Ratingでは、人事評価がない
② No Ratingで、マネジャー(上司)の負担が軽くなる
③ No Ratingを導入しないと時代に乗り遅れる
1つ目の「人事評価がない」という誤解ですが、
No Rating(ノーレイティング)が日本で紹介され始めた当初は、
「米国企業が人事評価を廃止した」
というキャッチコピーでの紹介が多かったことが影響していると思います。
このキャッチコピーは、人事を知る人にとっては強烈なので、
確かに印象には残るのですが、
実際のNo Rating(ノーレイティング)の本質ではありません。
No Rating(ノーレイティング)を導入している企業では、
人事評価における「点数づけ」や「格づけ」を止めたのであって、
社員さまの評価を止めたわけではありません。
この辺が、人事の実務経験のない方には少しややこしいのですが、
■ 評価 = 現状を明らかにして、成長課題を明確にすること
■ 査定 = ある判断基準によって数値化・点数化をすること
と定義するならば、社員さまの「査定」を止めたわけです。
人が成長するためには、他者からの評価によるフィードバックがとても有効です。
ですから、No Rating(ノーレイティング)を導入した企業さまでは、
上司から部下に、評価のフィードバックの機会を増やすような施策を同時に導入しています。
言い方を変えると、人事評価を廃止したどころか、
従来よりも頻繁に、部下への評価を行っているとも言えるのです。
今回は、No Rating(ノーレイティング)への誤解の1番目について述べてきましたが、
2番目以降は次回にしたいと思います。