リーダーの役割が変わるとメンバーが自律する
- カテゴリ:ノーレイティング(No Rating)
前回に引き続いて、組織のリーダー(一般的には経営者・管理職)の役割の変革について、私の考えをお伝えしたいと思います。
※前回のブログ「社員さんの自律を阻害する組織の「常識」」
リーダーが示すビジョンの位置づけが変わる
リーダーの役割といわれると、すぐに思い浮かぶ項目としては、
「チームのビジョンを示す」
「チームの戦略を考える」
「チームを目標達成に導く」
「チームメンバーの業務をアサインする」
「チームメンバーのモチベーションを高める」
「チームメンバーの成長を促進する」
など、さまざまな役割があがってくると思います。
これらはリーダーの大切な役割ではありますが、一人ひとりの自律を前提としている人事制度では、これらの役割にも変化が生まれます。
まず、チームのビジョンや戦略を示すことが、リーダーの重要な役割であることには変わりはありませんが、リーダーが示すビジョンや戦略は、あくまでもリーダー個人としてのビジョンや戦略という位置づけになります。
つまりは、「リーダーのビジョン=チームのビジョン」とは、自動的にならないということです。
これについては、違和感を持つ人もいらっしゃるかと思いますが、メンバーを自律した個人として尊重するという価値観で組織を運営すれば、当然こうなると私は考えています。
リーダーの課題とメンバーの課題を切り分ける
メンバー一人ひとりを自律した個人として尊重すれば、リーダーが示したチームのビジョンに協力するかどうかはメンバーの課題となります。
組織のリーダーは、「リーダーが示したビジョンにメンバーは従うのは当然だ」という価値観を手放す必要があります。
このような組織観のもとでは、リーダーの課題は、チームメンバーが協力したくなるようなビジョンを示すことになります。
そして、メンバーはチームの一員である以上、チームがどこに向かうのかというビジョンを決める意思決定にも、当然ながら参画できることになります。
組織運営の実務上は、最終的にはリーダーがビジョンを意思決定することになるケースが多くなると思いますが、
ビジョンに協力するかどうかの判断はメンバーにあるという価値観は、メンバーの自律を前提とした組織運営においては非常に大切だと考えます。
そして、結果的には、メンバーに自分で意思決定をすることを求めた方が、メンバーの自律度は高まっていきます。
次回は、メンバーの自律を前提としたノーレイティング型人事制度では、チーム(会社全体・各部署)をどのように運営していくことになるのかをお伝えしたいと思います。
(つづきは次回に)