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上司が持つ「評価権」を手放すことで人事制度が生まれ変わる

  • カテゴリ:ノーレイティング(No Rating)

いつもありがとうございます。生きがいラボの福留です。

今もすでに多くの組織ではそうなっていますが、これからの時代はますます「権力」によるリーダーシップが効果を生まなくなります。

このことを踏まえて人事制度を改めて見直し時に、人事制度の前提となっている「ある権力」を手放すことが求められてきます。

その「ある権力」とは、一般的に上司が持つとされている「評価権(査定権)」です。

今回は、上司が持つ評価権を手放すことで、人事制度がどうなるのかを考えたいと思います。

 

一方的な権力が自発性や主体性を阻害している

 

これまでの数回は、人事制度の未来像に影響を与える経営環境の変化として、次の9つの変化について考えてきました。

① 金銭的報酬によるインセンティブが困難になる
② 職業人生が長期化する
③ 不安を抱える若年層が増える
④ 仕事とプライベートの境界がなくなる
⑤ 企業の内部と外部の境界がなくなる
⑥ 高度な専門技能と、専門分野以外での人的ネットワークが必要となる
⑦ 権力によるリーダーシップが成果を生まなくなる
⑧ 多様性を積極的に受容する必要性が高まる
⑨ 短期的な利益よりも社会貢献や持続可能性を重視する傾向が強まる

今回は上でも述べたように、7番目の「権力によるリーダーシップ」が効果をなくすというテーマを扱います。

従来型人事制度は、上司が評価権を持っていることを暗黙の前提に設計/運用されています。

このことに違和感を覚える人はあまりいらっしゃらないと思います。

上司が部下に対する「評価権」を持っていることは、あまり意識されることがないほどに「当然」のこととして受け入れられているのです。

そして、ほとんどの場合は、上司の評価に対して部下が意見を言える場はありません。

社員さんに自発性や主体性を持ってもらいたいと考えている経営者さんは多いと思います。

しかし、人事制度が自発性や主体性を阻害している構造になっていることに気づいていない経営者さんも多いのではないでしょうか?

 

自分が知らないところで評価が決定している構造をやめる

 

では、この構造をやめるためには、人事制度をどのように変えればよいのでしょうか?

すぐにできる改善としては、本人の知らないところで評価が決まっていく構造を辞めることです。

つまり、評価決定のプロセスで本人が意見を言える場をつくることです。

経営者さんや管理職さんのなかには、人事評価について本人が意見を言える場をつくれば、なかなか人事評価が決まらないと考える方もいらっしゃいます。

たしかに、上司が勝手に評価できる構造の方が、時間がかからなくて済むということはあるでしょう。

しかし、自分の評価が知らないところで決められるという構造のなかで、自主性や主体性を社員さんに求めること自体に無理があります。

社員さんが受け身にならざるを得ない環境を、無意識につくってしまっているのです。

たしかに、過去の成果の評価を長時間にわたって上司と部下が話し合うのも建設的ではないことも否めません。

ですので、当社では人事制度の構造を抜本的に変えることで、上司と部下が建設的な対話ができるようにしています。

それについては、次回にお伝えしたいと思います。

 

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